朝香宮鳩彦王

朝香宮鳩彦王の生涯

朝香宮鳩彦王（あさかのみや やすひこおう）は、1887年10月2日に誕生しました。彼は旧皇族であり、旧陸軍の大将として知られています。晩年まで生きた鳩彦王は、1947年に皇籍を離脱し、その後はゴルフなど優雅な生活を送ったことで「ゴルフの宮様」としても親しまれました。

家族と背景

鳩彦王は久邇宮朝彦親王の第8王子で、明治39年に朝香宮家を設立しました。彼は明治天皇の皇女である允子内親王と結婚し、二男二女に恵まれました。彼の兄弟には久邇宮邦彦王や梨本宮守正王、弟には東久邇宮稔彦王がいます。彼は第125代天皇明仁の大叔父でもありました。

軍歴と職業

陸軍士官学校を卒業した後、鳩彦王は陸軍歩兵少尉に任官し、その後順調に昇進を果たしました。1914年には陸軍大学校を卒業し、フランスに留学するなど国際的な視野を持つ軍人として成長します。彼は上海派遣軍の司令官として南京攻略戦に参加し、その結果、南京事件において責任の一端を負うこととなりました。

交通事故

1923年の春、義兄と共にドライブ中に交通事故に遭い、彼は重傷を負いました。この事故により、右足が不自由になりましたが、フランスでの療養中にアール・デコに興味を持つようになり、後に彼の邸宅がそのスタイルの代表作となります。

戦後の生活

敗戦後、鳩彦王は1947年に皇籍を離脱しました。GHQの命令により、公職追放を受けましたが、その後はゴルフを楽しみながら資産運用に励む日々が続きました。彼は一時、白金台の本邸を外務大臣公邸として貸し出したり、軽井沢に洋館を建てたりしました。

鹿児島のエピソード

また、彼が名誉総裁を務めた東京ゴルフ倶楽部は、彼にちなんで名付られた「朝霞コース」が存在し、この名は後に地名としても定着します。さらに、軽井沢に建設した別邸は、後に「プリンスホテル」となり、皇室専用の滞在施設となるという運命を辿りました。

最後の年

1981年4月12日、朝香宮鳩彦王は93歳で世を去りました。彼の多彩な人生は、歴史的な背景や家族、文化に深く根ざしたもので、多くの人々に記憶されることでしょう。彼の影響力や波乱万丈の人生は、当時の社会を反映するものであり、今も多くの人々の記憶に残っています。

もう一度検索