東京都立上野高等学校

東京都立上野高等学校：伝統と進化を続ける名門校

東京都台東区上野公園に位置する東京都立上野高等学校は、「上高」の愛称で親しまれる歴史と伝統を誇る学校です。東京芸術大学や上野動物園に隣接し、東京大学本郷キャンパスからも徒歩圏内という恵まれた立地を活かし、近隣の文化施設を活用した教育活動を行っています。

創立と輝かしい歴史

1924年、関東大震災後の学校不足解消のため、旧東京市によって第二東京市立中学校として開校しました。旧制中学時代は、一高合格者数で全国トップ20位以内をほぼ毎年記録する進学校として名を馳せ、高い学力と伝統を誇っていました。新制高等学校となった後も、1960年代までは東京大学への合格者を30～40名輩出するなど、その進学実績は揺るぎないものでした。

低迷期と再生への取り組み

しかし、1967年から1981年にかけての学校群制度や学生運動の影響を受け、進学実績は低迷しました。学力が高い生徒の私立高校への流出や、自由な校風が敬遠されたことが要因の一つです。その後、学校群制度の廃止後も、同じ学校群を組んでいた白鷗高校と比較して進学実績の差は縮まりませんでした。

しかし、低迷期においても芸術系大学への進学実績は高く維持されていました。2003年には文部科学省から学力向上フロンティア・ハイスクールに指定され、2004年には東京都教育委員会から重点支援校に指定されました。これを受け、授業時間や土曜授業の復活、教員公募制の実施、夏休みの勉強合宿など、様々な改革が行われました。2005年には特別進学クラスが新設され、2014年には進学アドバンス校に指定されるなど、学校改革は継続的に行われ、着実に成果を上げています。

教育理念と特色

校訓は「自主協調」「叡智健康」。初代校長が大正デモクラシーの精神を反映して定めた簡潔な言葉です。この校訓に基づき、時代や課程に合わせて具体的な教育目標が設定されています。進学アドバンス校指定後は、「学力」「進学実績」「人間性」の三つの向上を目指し、「地域・東京を代表する進学校」「名門校の復活」を目標としています。

また、本校は全日制の他に、1924年から2009年まで定時制、1948年から2006年まで通信制を併設していました。都内では当時唯一の3課程併設高校でした。現在では全日制のみとなっていますが、定時制・通信制時代に培われた多様な生徒への対応力は、本校の大きな強みとなっています。

生徒会が存在しないことも本校の特徴です。文化祭や体育祭などの学校行事は、生徒有志による運営となっています。

交通アクセスと施設

JR上野駅、東京メトロ上野駅、京成上野駅から徒歩13分、東京メトロ根津駅から徒歩7分とアクセス良好です。本校の施設は、本棟、別棟、体育館棟、グラウンドからなり、充実した学習環境が整っています。別棟には180人収容可能な自習室や、320人収容可能な視聴覚室、図書館などが設置されています。また、長野県東御市には上ノ原山荘という校外施設も所有しています。

著名な卒業生

本校は、政治、経済、学術、文化、芸能など、各界で活躍する著名な卒業生を数多く輩出しています。

まとめ

東京都立上野高等学校は、歴史と伝統に裏打ちされた教育理念と、時代の変化に対応した改革を続けることで、常に進化を続ける名門校です。高い進学実績と、充実した教育環境、そして多くの著名な卒業生は、その証といえるでしょう。これからも、地域社会に貢献できる人材育成に尽力していくことでしょう。

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