東京都立中央ろう学校

東京都立中央ろう学校

東京都立中央ろう学校は、東京の杉並区に位置する、聴覚に困難を抱える児童・生徒のための特別支援学校です。この学校は、中学校と高等学校の教育課程を一貫して提供しており、特に大学への進学を強く希望するろう生徒を受け入れる、国内で唯一の学校として知られています。その歴史は比較的浅く、2006年に設立されました。

学校の特色と入学選抜

本校への入学希望者は、中学校および高等学校課程のそれぞれにおいて、二種類の選抜方式から選択することができます。一つは「前期推薦による募集」で、出身学校長の推薦が必要とされます。この推薦を得るためには、国語、数学、英語といった学業分野に加え、芸術活動やスポーツなどで顕著な成績や才能が評価されることが基準となります。前期選抜では、面接のみによって合否が決定されます。

もう一つの方式は「後期一般募集」です。こちらでは、より総合的な能力が評価されます。中学校課程を希望する生徒は、適性を見る検査と面接を受けます。高等学校課程を目指す場合は、国語、数学、英語に加え、作文を含む学力試験と面接が課されます。

各学年の募集定員は定められています。中学校は1学年あたり3クラス、合計18名の生徒を募集しています。高等学校も同様に1学年3クラスですが、内部からの進学者も含めて合計24名が定員となっています。

東京都内全域からの通学が可能であり、都内のどこからでも本校に通うことができます。

沿革

東京都における特別支援教育の方向性が示されたのは2004年11月25日、東京都特別支援教育推進計画の策定によります。この計画に基づき、本校開設に向けた準備が始まりました。2005年4月1日には、東京都立大塚ろう学校の中に準備室が設けられ、具体的な計画立案が進められました。同年7月28日には、基本計画に関する検討委員会の報告書が公表され、学校の骨子固めが行われました。そして、2005年10月13日には、東京都の条例改正により正式な設置が決定しました。

学校は2006年4月1日に開校し、鈴木茂樹氏が初代校長に就任しました。開校直後の同年4月6日には、大塚校舎にて中学部2年生15名と3年生16名の始業式が行われ、翌4月7日には石神井校舎で初めての入学式が催され、中学部に19名、高等部に7名の新入生を迎え入れました。学校の開設を祝う開校式は、2006年10月20日に実施されました。現在の杉並区にある新校舎への移転は、2009年3月30日に完了しました。

部活動

生徒たちは様々な部活動に参加し、学校生活を豊かにしています。中学部には、野球部、卓球部、女子バレー部、生活文化部があります。高等部では、野球部、卓球部、陸上部、バレー部、生活文化部、そしてテニス部が活動しています。

歴代校長

本校には、これまでに以下の5名の校長先生が着任されました。初代の鈴木茂樹氏に続き、久保井礼氏（第2代）、松本弘氏（第3代）、荒川早月氏（第4代）、そして現在の木村利男氏（第5代）が学校運営を担っています。

所在地とアクセス

学校は〒168-0073、東京都杉並区下高井戸2丁目22番10号にあります。公共交通機関を利用する場合、京王線または世田谷線の下高井戸駅から徒歩約7分、あるいは京王井の頭線の永福町駅から徒歩約10分で到着します。

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