東京都立城南特別支援学校

東京都立城南特別支援学校は、東京都大田区東六郷二丁目に校舎を構える公立の特別支援学校です。主に肢体不自由のある児童・生徒を教育対象としており、一人ひとりの教育的ニーズに合わせた専門的かつ手厚い支援教育の提供を目指しています。子どもたちが社会参加に向けた力を育み、その可能性を最大限に伸ばせるよう、多様な教育活動を展開しています。

教育対象と特色

本校が教育対象とするのは、肢体不自由を主な障害とする子どもたちです。肢体不自由とは、病気や事故などが原因で身体の運動機能に困難を抱えている状態を指します。本校では、このような特性を持つ子どもたちに対して、個々の障害の状態や心身の発達段階を詳細に把握した上で、個別の教育支援計画（IEP）に基づいた tailored な指導を行います。

学習指導に加え、特別支援学校では特に「自立活動」の時間を重視しています。これは、身体の機能維持・向上、コミュニケーション能力の育成、情緒の安定など、子どもたちが日常生活や社会生活を営む上で必要な力を直接的に指導するものです。また、医療的なケアが必要な児童・生徒への対応や、リハビリテーションとの連携も行われることがあり、安全で安心して学べる環境づくりに力が入れられています。子どもたちが持てる力を発揮し、主体的に学校生活を送れるよう、様々な側面からサポート体制が整えられています。

設置学部

本校には、児童・生徒の年齢や発達段階に応じた三つの学部が設置されています。

小学部: 義務教育の初期段階にあたり、学習の基礎や集団生活への適応、基本的な生活習慣の習得を目指す教育が行われます。
中学部: 中学校段階の教育を提供し、基礎学力の定着を図るとともに、社会との関わりを意識した学びや、自己理解を深める活動に取り組みます。
高等部: 高等学校段階の教育を行い、卒業後の自立や社会参加を見据えた具体的な力を育成します。進路指導や職業・作業学習、社会生活に必要なスキルを学ぶ授業などが含まれ、卒業後の円滑な移行（トランジション）を支援するための個別移行支援計画（ITP）の作成も重視されています。

各学部は連携を図りながら、子どもたちの成長に応じた一貫性のある教育を提供しています。

沿革

東京都立城南特別支援学校の歩みは、1960年代に始まります。

1969年（昭和44年）1月4日: 東京都立光明養護学校（現在の東京都立光明特別支援学校）の敷地内で、新たな肢体不自由養護学校設立に向けた準備事務が開始されました。
1969年（昭和44年）4月19日: 肢体不自由教育を専門とする養護学校として、正式に開校しました。同時に第1回入学式が挙行され、教育活動がスタートしました。この日が本校の開校記念日とされています。
1970年（昭和45年）4月7日: 高等部が新たに設置されました。これにより、小学部から高等部までの一貫した教育体制の基礎が築かれ、より幅広い年齢層の肢体不自由のある子どもたちを受け入れることが可能になりました。
* 2008年（平成20年）4月1日: 国の特別支援教育制度への移行に伴い、学校の種別名称が変更されました。「東京都立城南養護学校」から、現在の「東京都立城南特別支援学校」へと改称され、障害のある子どもたちへの教育のあり方が、「養護」から一人ひとりを「支援」する方向へと明確化された国の動きに対応しました。

所在地とアクセス

本校は、東京都大田区東六郷二丁目18番20号に位置しています。
公共交通機関を利用して来校される場合、京急本線の雑色駅が最寄り駅となります。駅から学校までのアクセス方法や所要時間などの詳細については、学校の公式サイトなどで確認することができます。

東京都立城南特別支援学校