東京都立稲城高等学校

東京都立稲城高等学校

東京都立稲城高等学校は、東京都稲城市に1977年から2004年まで存在した都立高等学校です。2005年、東京都立南野高等学校と統合し、東京都立若葉総合高等学校として再編されました。稲城高校の校舎と敷地は、若葉総合高校に引き継がれ、現在も利用されています。

沿革

開校まで

1974年12月、稲城市内の建設用地買収が決定し、1976年7月に校舎の建設が開始されました。同年11月には、東京都立狛江高等学校内に開設事務所が設けられ、設立準備が進められました。1976年12月には都条例により正式に設立が許可され、翌1977年2月には第1回入学選抜学力検査が実施され、3月には合格発表が行われました。

開校から閉校まで

1977年4月1日に開校し、4月12日に第1回入学式が虎ノ門ホールにて挙行されました。1978年4月には第二期工事が完了し、体育館、プール、格技場が完成、同年10月にはグランドとテニスコートが完成しました。1985年4月には制服がモデルチェンジされました。創立20周年記念誌には、1980年代後半は志願者数が低迷し、二次募集を余儀なくされるなど「苦しい」時代であったと記されています。1991年4月にはコンピュータ教室が完成し、使用が開始されました。

1998年には都立高校改革推進計画第二次実施計画案が発表され、稲城地区総合学科高校基本計画検討委員会が設置されました。翌1999年に検討員会報告が答申され、「都立南野高等学校と稲城高等学校を発展的に統合し、特色ある総合高校として設置する」という基本計画案が示されました。そして、2004年3月、第25回卒業式および閉校式が開催され、稲城高校は27年の歴史に幕を閉じました。

総合高校化への道程

1994年、文部省の高等学校設置基準が改定され、普通教育と専門教育の両方を実施できる総合学科の設置が可能になりました。東京都教育庁は、稲城市向陽台に総合学科の都立高校を新設する計画を発表し、参加校を募りました。同時期に、稲城高校のある坂浜地区では区画整理事業が始まり、校庭を分断する道路計画が持ち上がりました。これを受け、当時の稲城高校校長は、勉強会を開き、新設される総合学科の都立高校への参加を決定しました。しかし、総合学科高校の設置には2校以上の都立高校の統合が必要とされ、稲城高校以外に参加を申し出る学校がなかったため、総合高校への統合計画は一旦白紙となりました。1997年に東京都教育委員会から「都立高校改革推進計画」が発表され、再編への動きが加速しました。

校章

校章は、稲城市の市の木である「いちょう」と市の花である「梨の花」をモチーフにデザインされました。3枚のいちょうの葉が円を描くように配置され、その中心に梨の花が置かれています。3枚のいちょうの葉は、「知育・徳育・体育」、あるいは「学校・家庭・地域」を表すとされ、これらの要素が結実して人間形成という花が咲くという意味が込められています。

入学者数と卒業者数の推移

（データは省略）

行事

稲歩会

1977年の開校以来、毎年11月に行われていた強歩大会です。山梨県立甲府第一高等学校の夜間100km競歩を参考に企画されました。第1回は稲城高校をスタートし、津久井湖をゴールとする約28kmのコースで実施されました。第2回から第15回までは、稲城高校から相模湖をゴールとする約40kmのコースで実施されました。女子は男子よりも短いコースで実施されていました。1992年からは、男女共に八王子市の東京都高尾自然科学博物館をスタート地点とし、稲城高校をゴールとする約30kmのコースに変更されました。

白梨祭

1979年に第1回が「稲高祭」として開催され、1980年から「白梨祭」と呼ばれるようになりました。1981年からは体育祭も秋に実施されるようになり、文化祭と体育祭を合わせて「白梨祭」と呼ぶようになりました。

公開講座

1991年度から、生徒の父母や地域住民を対象とした公開講座が開催されていました。「稲城の自然観察教室」「陶芸教室」「コンピュータ入門講座」などが実施されました。

主な関係者

天宮良: 1978年に稲城高校に入学しました。
米村でんじろう: 都立高校教諭として最初に稲城高校に赴任し、1985年度から1992年度まで勤務しました。この学校で、学習意欲の低い生徒に理科実験を通して興味を持たせることを試みたことが、サイエンスプロデューサーとしての原点となりました。

脚注

(注釈、出典、参考文献については省略)

関連項目

東京都立南野高等学校
東京都立若葉総合高等学校

外部リンク

* 東京都立稲城高等学校 - ウェイバックマシン

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