東京都立第五商業高等学校

東京都立第五商業高等学校

東京都国立市に所在する東京都立第五商業高等学校、通称「五商」は、多摩地区において唯一の都立商業高校として、長い歴史と伝統を誇ります。全日制のビジネス科と定時制の商業科を設置し、地域社会との連携を重視した特色ある教育活動を展開しています。

沿革

五商の歴史は1941年、東京府立第五商業学校の設立認可に遡ります。戦時中の工業学校への転換や校舎移転を経て、1948年に現在の東京都立第五商業高等学校へと改称されました。その後、定時制課程の設置や制服の改定、創立記念式典の挙行などを経て、2020年には全日制課程が創立80周年、定時制課程が70周年を迎えました。

特色

五商は、東京都の重点支援校としての指定を受け、「五商再生総合プラン」を策定し、教育改善に取り組んできました。習熟度別授業や少人数指導、補習講座などを実施し、生徒の基礎学力向上と進路実現を支援しています。また、ビジネス人材育成推進校として、企業と連携した講座や実習を通して、社会で役立つ実践的なスキルを習得する機会を提供しています。

五商の就職内定率は12年連続100％を達成しており、独自の大学進学指導計画により、指定校推薦や総合型選抜など、多様な進路選択をサポートしています。一橋大学や東京都立大学をはじめとする地域の大学、地元企業、公的機関、NPO法人などとの連携も積極的に行い、生徒の学びを深めています。

生徒の主体性を育むため、五商ではノーチャイム制を導入しています。また、生徒が主体的に企画・運営する「五商ショップ」では、地域との連携による商品開発や販売を通して、実践的なビジネススキルを磨いています。情報処理技術者国家試験（ITパスポート）の取得にも力を入れており、専門的な知識・技能の習得を支援しています。

多様な学び

五商では、専門科目に加え、中国語、フランス語、韓国語といった教養科目も選択できます。生徒は多様な授業を通して、幅広い知識と教養を身につけることができます。近年では、難関試験である国家公務員税務職員への合格者も輩出しています。

地域住民に向けた公開講座として、日商簿記2級講座を開講するなど、地域社会への貢献も行っています。また、「実業意欲向上プログラム」では、農業高校生との連携販売を通して、生徒の主体的な学びを促進しています。

メディア掲載

五商の活動は、東京新聞や朝日新聞、テレビ朝日などのメディアでも紹介されています。生徒が考案した商品や、地域への貢献活動などが注目を集めています。

周辺環境

五商周辺は文教地区に指定されており、東京女子体育大学や一橋大学が近接しています。落ち着いた環境の中で学習に集中できる一方、若者向けのカフェやレストランなども多く、利便性も兼ね備えています。また、内閣府による「注視区域」に指定されていることから、周辺の治安も良好です。

部活動

五商には、様々な部活動があり、生徒は学習だけでなく、部活動を通して心身を鍛え、友情を育んでいます。

関係者

五商は、プロボクサーの海老原博幸氏や、政治家の小川友一氏、女優の片桐夕子氏など、各界で活躍する人材を輩出してきました。また、女優の左幸子氏や経営者の増田通二氏など、著名な教職員も在籍していました。

五商は、多摩地区の商業教育を担う伝統校として、これからも地域社会に貢献できる人材育成に尽力していきます。

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