片桐夕子

片桐夕子：日活ロマンポルノスターからベテラン女優へ

1952年1月26日生まれの片桐夕子（本名：小堺由美子）は、日本の女優として長く活躍しました。東京都昭島市出身で、東京都立第五商業高等学校を卒業後、銀行員を経て、1970年に日活に入社。フランコ・ネロへの憧れから女優の道を志したと言われています。

当初は五月由美の芸名で活動していましたが、『新ハレンチ学園』への出演を経て、1971年公開の『女高生レポート 夕子の白い胸』で主演を務め、役名である片桐夕子を芸名に改名しました。

日活がロマンポルノ制作に力を入れる中、片桐夕子は数々の作品で主演を務め、ロマンポルノスターとして人気を博します。青春映画、シリアスな作品、時代劇、コメディと幅広いジャンルで活躍し、その演技力は高く評価されました。特に曽根中生監督の作品には計6本出演しており、『（秘）女郎市場』は彼女にとって特別な作品だったと、曽根監督の死後に追悼記事で語っています。

1970年代半ばからはロマンポルノ以外の作品への出演も増え始め、1980年代に入ると完全にロマンポルノから離れ、一般映画やテレビドラマに活動の場を移しました。

私生活では、日活の小沼勝監督と結婚するも離婚。その後、アメリカに3年間滞在し、アメリカ人男性と再婚、子供にも恵まれますが、この結婚も離婚しています。その後は日本とアメリカを往き来しながら女優業を続けました。

女優としてのキャリアは、日活時代から、東映、松竹、ATGなど様々な制作会社に渡る多様な作品への出演を特徴としています。テレビドラマでは『必殺シリーズ』を始め、『太陽にほえろ！』『大都会 PARTII』、『相棒』などの人気作品にも多数出演しています。また、時代劇やコメディ、サスペンスなど、ジャンルを問わず幅広く演技力を発揮していました。

映画出演作品は、ロマンポルノ作品から一般映画、時代劇まで多岐に渡ります。代表的な作品として『女高生レポート 夕子の白い胸』、『（秘）女郎市場』、『戦争と人間 第三部 完結篇』、『青春の門 自立篇』、『夏草の女たち』などがあります。

テレビドラマでの活躍も目覚ましく、時代劇から現代劇まで幅広いジャンルで数多くの作品に出演。特に『必殺シリーズ』、『太陽にほえろ！』、『大岡越前』などの人気シリーズへの出演は、彼女のキャリアを象徴するものです。

2022年10月16日、胆管がんのため70歳で亡くなりました。葬儀は近親者のみで行われたとのことです。

片桐夕子は、ロマンポルノ全盛期のスターとして華々しくデビューし、その後も数多くの作品に出演し続け、幅広い役柄を演じ分けるベテラン女優として、日本の映画史、テレビ史にその名を刻みました。彼女が残した作品は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

主な出演作品（抜粋）

映画

女高生レポート 夕子の白い胸
（秘）女郎市場
戦争と人間 第三部 完結篇
青春の門 自立篇
夏草の女たち

テレビドラマ

必殺シリーズ
太陽にほえろ！
大都会 PARTII
相棒

関連人物

曽根中生（監督）
* 小沼勝（監督）

片桐夕子さんの多様なキャリアと、その才能は、日本の映像業界に大きな足跡を残しました。彼女の功績は、これからも多くの人に語り継がれていくことでしょう。

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