東京都道404号皇居前東京停車場線

東京都道404号皇居前東京停車場線：行幸通り

概要

東京都道404号皇居前東京停車場線、通称「行幸通り」は、千代田区皇居外苑の皇居前広場北部から同区丸の内の東京駅中央口交差点までを結ぶ道路です。その名の通り、天皇の行幸の際に皇居と東京駅を繋ぐ重要な役割を担ってきました。

関東大震災後の復興事業の一環として、幅員73メートルという当時としては広大な道路として計画・建設されました。和田倉門（現在の位置からやや南）から桔梗門（内桜田門）を経て東京駅へと至るルートであり、起点付近には警視庁や皇宮警察本部の派出所が設置されています。

当初は中央車線、イチョウ並木、緩速車線、歩道という構成でしたが、中央車線は一時、天皇の行幸や外国大使の送迎の際にのみ使用される専用道となりました。しかし、2010年には再整備され、歩道兼馬車道として一般開放。現在は都民や近隣で働く人々の憩いの場となっています。ただし、特別な行幸などがある場合は、再び専用道となり、一般通行は制限されます。

道路中央の石畳と両側のイチョウ並木は、行幸通りの景観を象徴する重要な要素です。地下にはギャラリーへと繋がる通路も整備され、地上と地下が一体となった空間となっています。

その美しい景観と整備された空間は高く評価されており、東京駅丸の内駅前広場と共に、2018年度グッドデザイン賞ベスト100を受賞。また、土木学会デザイン賞でも奨励賞、最優秀賞を受賞するなど、数々の賞に輝いています。

歴史

• - 1923年（大正12年）9月27日: 関東大震災後の復興事業として帝都復興院が設立されました。
• - 1924年（大正13年）9月: 行幸通りの建設工事が着工されました。
• - 1926年（大正15年）7月: 行幸通りの建設工事が完了しました。
• - 2007年（平成19年）4月19日: 東京駅中央口交差点から和田倉門交差点までの地下に「行幸地下通路」が完成し、一般開放されました。
• - 2010年（平成22年）4月12日: 地上の再整備工事が完了し、中央部の道路が歩道兼馬車道として一般開放されました。

設計と特徴

行幸通りは、単なる交通路ではなく、都市景観に配慮した設計がなされています。73メートルの幅員は、当時の東京市を代表する広規格道路として計画されたものであり、現在でもそのスケール感は際立っています。イチョウ並木は、春の芽出しから秋の紅葉まで、一年を通して変化に富んだ景観を提供し、人々に安らぎを与えています。

地下通路との一体的な整備も、行幸通りの大きな特徴です。地上の美しい景観と、地下の機能的な空間が調和し、より快適な都市空間を創出することに貢献しています。

まとめ

行幸通りは、単なる道路という枠を超え、関東大震災からの復興、そして現代の都市空間デザインの粋を集めた歴史的建造物と言えるでしょう。その景観、歴史的背景、そして機能性の高さは、人々にとって特別な場所としての存在感を示しています。これからも、東京の象徴として、人々の生活に彩りを添え続けることでしょう。

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