帝都復興院

帝都復興院の概要

帝都復興院（ていとふっこういん）は、1923年9月1日に発生した関東大震災の直後、翌日の9月2日に設立が検討され、同年9月27日に山本権兵衛内閣によって設置された日本の政府機関です。この機関は、東京の復興を目的としており、当時の内務大臣であり、元東京市長でもある後藤新平が総裁を兼任しました。復興院は、内閣総理大臣の直属の機関として、多くの専門局を設置し、復興事業に力を入れました。

設置された各局の役割

帝都復興院には、総裁官房や計画局、土地整理局、土木局、建築局、経理局、物資供給局といった複数の専門局が設けられました。各局には、内務省や鉄道省などから集められた有能な技術者たちが配置され、震災後の東京の復興計画に取り組むこととなりました。このように専門知識を有する人材が集まった背景には、都市計画や建設のノウハウを生かした迅速な復興が求められていたことがあります。

復興計画の策定と対立

復興院が立案した帝都復興計画は、当初は壮大なものでしたが、伊東巳代治などの長老政治家や野党政友会の強い反発により、大幅な縮小を余儀なくされました。この中で、復興院内部では、異なる立場の幹部による対立も影響しました。積極派の副総裁である松木幹一郎や建築局長の佐野利器らは積極的な復興を唱えましたが、消極派とされた副総裁の宮尾舜治や計画局長の池田宏は予算削減を主張し、結果として内部での路線対立が深まることとなりました。後藤総裁は両派の調停を試みましたが、効果的な解決に至らず、復興院の方針にも混乱をきたしました。

帝都復興院の廃止とその後

1923年12月に発生した虎ノ門事件により、第2次山本内閣が総辞職すると、総裁は後藤から水野錬太郎に交代し、1924年2月25日には帝都復興院は廃止されました。その後の復興事業は内務省の外局として新たに設けられた復興局が引き継ぎました。復興局はその後、1930年に復興事務局という形で改組されましたが、1932年にはこの事務局も廃止されました。

重要な人々

帝都復興院には、多くの有名な政治家や技術者が関与していました。後藤新平はその中心人物であり、内務大臣として復興事業に尽力しました。また副総裁には宮尾舜治や松木幹一郎が名を連ね、計画局長には池田宏が就任しました。建築局長の佐野利器は東京帝国大学教授として専門知識を生かしましたが、様々な人々の意見や方針が復興に影響を与えることになりました。

結論

このようにして、帝都復興院は短命であったものの、東京の復興に向けた重要な政府機関としての役割を果たしました。震災後の都市復興における経験は、後の復興施策においても貴重な教訓として受け継がれています。

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