東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会

特定非営利活動法人東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会

特定非営利活動法人東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催地を東京に招致することを目的に活動していたNPO法人です。東京都が所管庁でした。

設立までの経緯

2003年、日本オリンピック委員会（JOC）会長の竹田恆和氏が、スポーツ振興を目的とした任意団体「日本オリンピアンズ協会」を設立し会長に就任。同団体は2007年にNPO法人へと昇格しました。

2007年3月、2016年東京オリンピック構想の実現を目指し、特定非営利活動法人東京オリンピック・パラリンピック招致委員会が設置されました。会長には当時の東京都知事、石原慎太郎氏が就任。同年11月には、内閣総理大臣（当時：福田康夫氏）が最高顧問に、全大臣が特別顧問に、全副大臣が顧問に就任しました。

しかし、2009年の2016年夏季オリンピック開催地選考では、リオデジャネイロに敗れました。その後、2010年に同法人は「国際スポーツ東京委員会」と名称を変更しました。

設立から招致成功まで

2011年4月、石原慎太郎氏が東京都知事選挙で4選を果たし、2020年オリンピック開催地への立候補を表明しました。活動費の不足を電通からの借入で補い、2020年東京オリンピック構想に基づき、同年9月15日に会長を石原慎太郎氏、理事長をJOC会長の竹田恆和氏とする特定非営利活動法人東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会が改めて設立され、第1回理事会が開かれました。

同年11月には評議会議長の森喜朗氏のもと第1回評議会が開催され、11月30日にはロゴマークが制定されました。また、電通と「スポンサー集めの専任代理店」契約を締結しました。

同年12月、野田内閣がオリンピック・パラリンピック競技大会に関して閣議了解を行い、大会招致活動に必要な支援をする方針を示しました。理事、幹事、評議会には、スポーツ関係者から政治家、芸術家まで、様々な分野の人物が名を連ねました。

2013年9月7日、2020年夏季オリンピックの開催地選考において東京が選ばれ、招致に成功しました。これを受けて、2014年1月に解散手続きが開始され、同年4月には東京都が報道メディア向けに招致活動の記録として「2020年オリンピック・パラリンピック競技大会招致活動報告書」を発表しました。

大会の運営は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に移行されました。

招致活動に関するトラブル

招致活動においては、高額な経費や不透明な資金の流れが問題視されました。

2016年招致活動の高額経費: 2016年招致活動における高額な支出について、東京都議会議員らが招致委員会に説明を求めました。映像制作費やIOCへの送金、電通との契約など、様々な項目で疑義が呈されました。
2016年招致活動の経理書類の紛失: 2012年の報道によれば、東京都は2016年招致活動の支出に関する経理書類の一部を紛失したとして、保存していませんでした。
2020年招致活動での疑わしい送金: 2016年、フランス検察当局の発表により、招致委員会が2013年に国際陸上競技連盟会長の息子の関係する会社に、「東京五輪招致」の名目で多額の資金を送金していたことが発覚しました。この資金はコンサルタント料として支払われたとされていますが、その正当性が疑問視されました。
高橋治之氏への資金提供: オリンピック招致を巡り、高橋治之氏が招致委員会から多額の資金を受け取り、IOC委員にロビー活動を行っていたと報じられました。この資金の一部はスポンサー集めの「コミッション（手数料）」と説明されました。
嘉納財団への資金提供: 森喜朗氏がトップを務める嘉納治五郎財団にも、招致委員会から多額の資金が支払われていたことが確認されています。この資金提供は、IOC委員を巡る国際的な贈収賄事件に関連するものと見られています。

これらの問題は、オリンピック招致活動の透明性と公正性を揺るがすものとして、大きな批判を浴びました。

メンバー

招致委員会には、スポーツ界、政界、経済界など、様々な分野から多くの人物が参加していました。以下に主なメンバーを記載します。（2012年6月時点）

理事長: 竹田恆和（日本オリンピック委員会 会長）
副理事長/専務理事: 水野正人（日本オリンピック委員会 副会長）
理事: 橋本聖子（オリンピアン、日本オリンピック委員会 理事）、鈴木大地（オリンピアン、日本オリンピック委員会 国際専門部会員）、成田真由美（パラリンピアン）など
* 評議会議長: 森喜朗

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