東勇路

東勇路について

東勇路（あずま ゆうじ、1902年3月15日生まれ）は、日本の俳優であり、本名は中島勇（なかじま いさむ）です。彼は芸名として東勇治や東勇二を名乗っていた時期もあります。日本の映画界において重要な位置を占めた彼は、小笠原明峰が設立した小笠原プロダクションの初期のスター俳優の1人として知られています。後に日活に移籍し、現代劇の分野ではバイプレイヤーとしての地位を確立しました。

生い立ちとキャリアの始まり

東は福岡県八女郡北山村、現在の八女市で生まれました。学業においては、福岡県立八女中学校を卒業後、旧制・西南学院高等学部に進学しましたが、途中で学業を放棄し、1923年に小笠原プロダクションの設立に参加しました。彼の学歴に関しては、報知新聞社が発行した『世界のキネマスター』には明治大学卒業の記述も見られます。

1925年には小笠原明峰監督による『水兵の母』で主演を果たし、この作品で人気を得ました。翌年には京都の日活大将軍撮影所の現代劇部に移籍し、さらなる活躍が期待されました。彼は1928年に公開された『イノック・アーデン』を基にした作品『思ひ出の水夫』でも主演を果たし、名実ともに映画界の一員となりました。

日活での活動と転機

日活大将軍撮影所では、東は多くの名作に出演しました。1935年には日活多摩川撮影所が設立され、彼もその現代劇部に異動しました。1940年に公開された『米若の妻』が最後の出演作とされ、その後の消息は不明です。

戦時中の1941年に俳優部から企画部に転向し、1942年には大映の設立後も新会社に所属しました。ここでも企画係としての役割を担いましたが、戦後の生涯については記録が残っていません。彼の没年はわかっていないものの、映画界への貢献は色あせることはありません。

フィルモグラフィの一部

東のフィルモグラフィには多くの重要作品が存在します。以下はその一部です:

• - 水兵の母（1925年） - 水兵小川俊作
• - 男子突貫（1926年） - 吉村
• - 思ひ出の水夫（1928年） - 井澤庄作
• - 米若の妻（1940年） - 父・省蔵

これらの作品はすべてサイレント映画、または初期のトーキーであり、彼の多様な演技力を示しています。

結論

東勇路は日本の映画史において重要な役割を果たしました。彼のキャリアは初期のサイレント映画時代から始まり、トーキーへの移行期においても輝きを放っていました。尽きることのないその業績は、彼の名を映画界の歴史に刻印しています。彼の存在は日本映画の進化を支えた一因であり、現在も彼の作品は多くの映画ファンに愛されています。

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