東北マークス

東北マークス

東北マークスは、日本の宮城県仙台市に活動拠点を置く社会人スポーツ団体です。この団体は、かつて日本電信電話公社の東北支店に存在した運動部を母体としており、現在は硬式野球チームとバドミントンチームを擁しています。両チームともに、各競技の主要な大会やリーグで活動を展開しています。

硬式野球チーム

東北マークス硬式野球チームの歴史は、1946年に設立された『電電東北硬式野球部』に遡ります。その後、1985年の電電公社民営化に伴い、『NTT東北硬式野球部』と改称されました。

1999年、NTTグループの組織再編が実施されると、東日本エリアの社会人野球チームはNTT東日本へと集約されることになりました。これにより、NTT東北硬式野球部は同年8月26日に日本野球連盟へ解散届を提出し、その活動に終止符を打ちました。しかし、この廃部を受けて、仙台に在住していた一部の選手と若い世代のOBたちが中心となり、同年10月6日にはクラブチームとして『NTT東日本宮城野球クラブ』を新たに立ち上げました。

クラブチームとしての活動を開始した後、チーム名称は2002年2月26日付けで『NTTグループ東北マークス』に変更されました。そして、2010年には、NTTからの現役選手が減少したことや、より地域に根差したチーム運営を目指す方針転換に伴い、チーム名を現在の『東北マークス』へと再変更しました。

チームは転換期においても競争力を維持し、特に2005年には、前年で廃部となったJT野球部から主力選手6名を受け入れ、戦力を強化しました。同年の都市対抗野球東北二次予選では、惜しくも東北第2代表決定戦でJR東日本東北に敗れましたが、その存在感を示しました。

全日本クラブ野球選手権大会においては、かつて同一企業からの選手が一定数以上いるチームの参加を制限する規定がありましたが、2007年時点でNTT勤務の選手がその基準を下回ったため、出場資格が得られました。この機会を活かし、チームは同年予選を突破して本大会に初出場を果たし、見事にベスト4進出という成績を残しています。

主な大会成績

東北マークス硬式野球チームは、前身時代を含め、多くの主要大会で実績を残しています。

都市対抗野球大会：本大会出場17回
社会人野球日本選手権大会：本大会出場12回、最高成績は4強（1986年、1993年）
全日本クラブ野球選手権大会：本大会出場13回、最高成績は4強（2007年）
JABA東北大会：優勝5回（1976年、1977年、1980年、1984年、1991年）
JABA岡山大会：優勝1回（1990年）
JABA一関市長旗争奪クラブ野球大会：優勝1回（2018年）

プロ野球界とのつながり

チームからは複数の選手がプロ野球界へと進んでいます。電電東北時代には、小野寺克男、佐藤政夫、樋沢良信、鈴木孝行、佐藤洋といった選手たちがプロ入りを果たしました。NTT東北時代からは、竹内昌也、加藤高康、進藤実らがプロ野球選手となりました。また、東北マークスとなってからは、古長拓が独立リーグを経てプロへの道を切り開いています。加えて、元プロ野球選手である小石澤浄孝投手や中濱裕之野手も、競技者としてチームに登録された経験があります。

バドミントンチーム

東北マークスは、バドミントンチームも擁しており、こちらは1972年に『電電東北バドミントン部愛好会』として活動を開始したのが始まりです。1981年には『NTT東北バドミントン部』と名称を変更しました。

現在のチームは、主にNTT東日本-東北の社員を中心に構成されています。しかし、NTT東日本管内の広範な事業所に所属する選手が集まる『NTT東日本バドミントン部』（こちらもS/Jリーグに参加しており、対戦機会があります）とは異なり、東北マークスのバドミントンチームは宮城県内の事業所やNTT東日本の子会社に所属する選手、さらにNTT関連の工事会社に勤務する選手によって構成されているのが特徴です。このチームも、バドミントンS/Jリーグに参戦し、日本のトップレベルで活動を続けています。

東北マークスは、硬式野球とバドミントンの両面で、旧電電公社の系譜を受け継ぎながら、地域に根差した社会人スポーツチームとして活動を展開しています。

もう一度検索