東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチがんばろうニッポン!

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、日本社会に甚大な被害をもたらしました。この未曾有の災害に対し、日本サッカー界は迅速に復興支援のためのチャリティーマッチを企画しました。それが「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチがんばろうニッポン!」です。

開催の経緯

地震発生当初、3月25日と29日に予定されていたキリンチャレンジカップのモンテネグロ戦とニュージーランド戦の開催が危ぶまれました。日本サッカー協会は当初、両国との試合開催に意欲を示していましたが、深刻な被災状況を鑑み、モンテネグロ戦は中止となりました。

ニュージーランド戦については、チャリティーマッチとしての開催を協議しましたが、福島第一原子力発電所事故の影響でニュージーランド代表の訪日が困難となりました。そのため、国内で対戦相手を確保する必要に迫られました。また、当初国立競技場での開催を予定していましたが、東京電力管轄エリアでの計画停電などの影響から、大阪府の長居スタジアムへ変更されました。これらの状況を受け、日本代表とJリーグ選抜によるチャリティーマッチの開催が決定しました。

3月17日には、日本代表とJリーグ選抜の対戦（国際親善試合ではなく練習試合）である「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチがんばろうニッポン!」の開催が発表されました。翌18日には、日本代表の招集メンバーが発表され、ワールドカップ予選に向けた強化も目的として、異例の26名が招集されました。海外クラブ所属選手も12名含まれていましたが、当初は調整中とされていたものの、3月20日には全員の参加が決定しました。

Jリーグ選抜「Jリーグ TEAM AS ONE」のメンバーは、2010Jリーグアウォーズの優秀選手選考を基に、チャリティーマッチの主旨を考慮して選出されました。前年の最優秀監督賞を受賞したドラガン・ストイコビッチ氏が監督を務めることになりました。豪華なメンバーが集結し、チャリティーマッチへの期待が高まりました。

時系列

3月11日：東北地方太平洋沖地震が発生。
3月15日：2010年度第11回Jリーグ理事会を開催。
3月16日：キリンチャレンジカップの中止を正式発表。慈善試合に関する取り決めを発表。
3月17日：「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチがんばろうニッポン!」の概要を発表。
3月18日：Jリーグ選抜のチーム名「Jリーグ TEAM AS ONE」を発表。復興支援のスローガン「チカラをひとつに。-TEAM AS ONE-」を発表。日本代表メンバー26名を発表。
3月20日：Jリーグ TEAM AS ONEの監督をドラガン・ストイコビッチが務めることを発表。海外クラブ所属選手全員の参加が決定。
3月22日：Jリーグ TEAM AS ONEメンバー発表。
3月23日：チケット発売。担当審判員発表。
3月25日：ユニフォーム決定。Jリーグ TEAM AS ONE 背番号決定。
3月26日：チケット追加発売。
3月27日：パブリックビューイングのチケットの発売。
3月29日：チャリティーマッチ開催。
4月4日：使用済みユニフォームなどのインターネットオークション開始。

参加選手・スタッフ

日本代表には、当時の主力選手たちが多数参加。Jリーグ TEAM AS ONEにも、2010年ワールドカップに出場した選手たちが多く選出されました。両チームの選手たちは、被災者への思いを胸にピッチに立ちました。また、監督やスタッフも、試合を成功させるために尽力しました。

試合概要

試合は、日本代表が新システムの3-4-3を採用し、Jリーグ TEAM AS ONEは2010年W杯のメンバーを中心に構成されました。試合開始前には、両チームの代表選手による選手宣誓と鎮魂のスピーチが行われ、試合前には被災者への黙祷が捧げられました。両チームの選手は、腕に黒い喪章を巻いて試合に臨みました。

試合展開

試合は、日本代表が序盤から優位に進め、前半15分に遠藤保仁選手がフリーキックで先制点を挙げました。さらに19分には、岡崎慎司選手が追加点を奪い、日本代表が2点リードで前半を終えました。後半に入ると、両チーム共に選手を大幅に入れ替え、Jリーグ TEAM AS ONEが徐々に主導権を握りました。後半37分には、三浦知良選手が1点を返し、観客を大いに沸かせました。試合は2-1で日本代表が勝利しましたが、両チームの選手たちの熱いプレーは、多くの人々に勇気と感動を与えました。

試合終了後には、両チームの選手、スタッフ、審判団が「がんばろうニッポン!」「To Our Friends Around the World Thank You for Your Support」と書かれたバナーを持って場内を一周し、観客に感謝の思いを伝えました。

試合結果

日本代表 2 - 1 Jリーグ TEAM AS ONE

放送

試合は日本テレビ系列で全国中継され、関東地区で平均22.5%、最高26.5%の高視聴率を記録しました。海外でも150ヶ国以上で生中継や録画中継が行われ、放映権料は全て義援金となりました。また、ラジオでも中継され、多くの人が試合を楽しみました。

その他

パブリックビューイングも開催され、スタジアム周辺は多くの観客で賑わいました。また、スタジアムには被災地への応援メッセージが掲示され、試合全体が復興支援への思いで包まれました。試合で使用されたユニフォームや選手たちの私物などがインターネットオークションに出品され、4422万7162円もの義援金が集まりました。三浦知良選手のゴールを決めたスパイクは、777万8777円で落札されました。

2014年には、2011年に断念したニュージーランド代表戦が改めて開催され、試合収益の一部が義捐金として寄付されました。

収益金など

チャリティーマッチの収益は1億1349万8492円にのぼり、募金活動や物販の収益と合わせると、合計1億6970万7176円もの義援金が集まりました。このうち5000万円は「サッカーファミリー復興支援金」に充てられ、残りの1億1970万7176円は日本赤十字社に寄付されました。

Jリーグクラブの慈善試合

このチャリティーマッチをきっかけに、多くのJリーグクラブが独自の慈善試合を開催しました。これらの活動は、被災地への継続的な支援につながっています。

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脚注

注釈

出典

外部リンク

がんばろうニッポン! サッカーファミリー情報共有サイト日本サッカー協会
【チカラをひとつに。-TEAM AS ONE-】東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチスケジュール J's GOAL
* 東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチハイライト動画 - ウェイバックマシン（2011年4月4日アーカイブ分）テレビドガッチ

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