東北大学電気通信研究所

東北大学電気通信研究所の概要

東北大学電気通信研究所（RIEC）は、1960年以降、情報通信技術の研究を推進するために設立された大学附属の研究機関です。この研究所は、情報通信に関するデバイス、プログラム、数理的手法にわたる幅広い分野を対象にした共同利用・共同研究の拠点として機能しています。

歴史的背景

研究所の起源は、1919年にまで遡ります。当時、東北帝国大学の工学部に電気工学科が設置され、強電分野に偏ることなく、弱電という概念に基づく信号伝達の研究が進められました。このアプローチは、八木・宇田アンテナの開発など、重要な成果を生み出しました。これを受けて1935年に「電気通信に関する学理及びその応用の研究」を目的とした研究所が設立されました。

その後、1944年には東北帝国大学附置電気通信研究所となり、1949年に現在の名称に変更されました。1994年には全国共同利用研究所に改編され、目的が「高密度及び高次の情報通信に関する学理並びにその応用の研究」に改められ、現在では高度な情報通信技術の開発を目指しています。

組織構成と研究分野

東北大学電気通信研究所は、複数の研究部門から成り立ち、具体的には以下の部署が存在しています。：

• - 情報デバイス研究部門
• - ブロードバンド工学研究部門
• - 人間情報システム研究部門
• - システム・ソフトウェア研究部門

それぞれの部署で、ナノデバイス、光通信、半導体デバイスなど、最先端技術に関する多岐にわたるテーマが研究されています。特に、スピントロニクスやクリーンルーム技術に関する研究は盛んであり、国際的にも高い評価を受けています。

例えば、光通信研究では、半導体レーザーと光ファイバーを用いた信号伝送の研究が行われており、これにより高速なデータ通信技術の実現に貢献しています。また、音響学や半導体デバイスの研究においても、新しい理論や技術の開発が進められています。

施設と設備

この研究所は、片平キャンパスに位置しており、様々な設備が整っています。特に1986年に完成した超微細電子回路実験施設は、クリーンルーム技術において国内外で注目されており、高度な半導体デバイスの製造を可能にしています。

さらに、さまざまな実験施設があり、その中でもナノ・スピン実験施設やブレインウェア研究開発施設は、他の研究機関との連携を通じて新しい発見を促進しています。

未来への展望

東北大学電気通信研究所は、今後も情報通信技術の発展を目指して、多様な研究活動を続けていく所存です。新産業の創出や、人々が豊かに交流するための基盤技術を構築することが、重要な使命となっています。これにより、情報通信分野におけるリーダーシップを維持し、より良い社会を実現するための貢献を果たすことを目指しています。

もう一度検索