東北平原

東北平原は、大興安嶺山脈、小興安嶺山脈、そして白頭山に囲まれた広大な平原です。その面積は約35万平方キロメートルと、ほぼ日本全土に匹敵し、中国最大の平原として知られています。平原の北部には嫩江が流れ、南部は遼東湾に接しています。平均海抜は約200メートルです。

この地域は寒冷な気候ではありますが、土壌は非常に肥沃です。かつて清朝時代には満州族の故地として人口流入が制限されていたため、森林が広がり、その有機物が堆積したことで肥沃な土壌が形成されました。しかし、清朝後期になると人口増加対策のために規制が緩和され、漢民族が流入。森林は急速に開墾され、農耕地へと姿を変えていきました。その変化はわずか20年ほどで起こり、1930年代には広大な平原が広がる「赤い夕陽の満洲」と称されるようになりました。

主要な農作物は大豆です。日清戦争後には日本へ、日露戦争後にはヨーロッパへと輸出されていました。大豆はかつては油や肥料として利用されていましたが、現在では家畜の飼料として世界的に重要な商品となっています。より多くの生産国が現れた現在でも、東北平原は重要な大豆の輸出国です。

東北平原は、大きく分けて北部の松嫩平原、南部の遼河平原、東北部の三江平原の三つに分類されます。このうち、松嫩平原と遼河平原を合わせて松遼平原と呼び、東北平原の大部分を占めています。

気候はケッペンの気候区分で亜寒帯冬季少雨気候（Dwa）に属しますが、近年では品種改良された米の栽培も盛んに行われています。東北平原は、中国の食糧生産において重要な役割を担っています。

もう一度検索