東北野球企業

東北野球企業株式会社の歴史

東北野球企業株式会社は、1972年から2002年まで仙台市青葉区に位置していたプロ野球の興行専門の会社です。この会社は、河北新報社をはじめとする宮城県内の15社が共同で出資して設立されたもので、主に宮城野区にある宮城球場でのプロ野球公式戦の企画・運営を行っていました。

創業の背景

宮城球場ではプロ野球公式戦をナイターで開催するために大規模な改修工事が行われ、その資金援助のために1972年9月に東北野球企業が設立されました。改修工事は1973年に完了し、照明設備や電光掲示板が整備されました。これにより、東北地方で初めて本格的なナイター野球が実現し、地域の野球熱が高まりました。

ロッテとの関係

当初、ロッテオリオンズは1972年末に東京スタジアムが閉鎖された影響で新たな本拠地を探しており、宮城球場がその候補に挙がりました。照明設備が整っていたことが、この選定の大きな理由となりました。1973年からロッテは宮城球場を準本拠地とし、公式戦を26試合開催。それまでの試合の興行は東北野球企業が取り仕切りました。

同年末、ロッテは保護地域を宮城県へ移転することを決定し、ここから正式に宮城球場がロッテの本拠地となりましたが、球団の事務所は依然として東京都に置かれていました。1974年にはロッテがリーグ優勝を果たしたものの、日本シリーズは全て後楽園球場で開催されることとなり、仙台のファンからは失望の声が上がりました。この事件は仙台におけるロッテ支持者の熱意を冷やす原因となりました。

本拠地の移行と興行の多様化

ロッテは1977年まで宮城球場で主催試合を行いましたが、この間彼らはもっぱら首都圏の球場との併用で試合をしていました。特に1976年以降は、首都圏での雨天中止となった試合の振替開催が主流となっていました。

その後、ロッテが1978年から川崎球場を本拠地にしたにもかかわらず、宮城球場での試合が継続され、東北野球企業はその興行を引き続き担いました。また、他の球団とも提携し、主催試合の興行を行いました。特に1992年にはオールスターゲームの第3戦を開催しましたが、実際の運営は他の球団に委託されていました。

経営の悪化と解散

しかし、設備の老朽化に伴い宮城球場での試合数は減少し、経営状況は急速に悪化しました。これにより、2002年には東北野球企業は会社を清算し解散することとなりました。

解散後の展開

解散後は河北新報社が宮城球場での公式戦を担当しました。そして2004年には新たに東北楽天ゴールデンイーグルスがNPBに参入し、宮城球場が新たな本拠地となりました。現在、同球場の運営は楽天野球団が行っています。

このように、東北野球企業株式会社は宮城県におけるプロ野球の歴史において重要な役割を果たしてきました。

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