東北陸軍講武堂

東北陸軍講武堂の歴史

東北陸軍講武堂（とうほくりくぐんこうぶどう）は、清朝末期から中華民国にかけての時期に奉天に設立された陸軍軍官学校です。その役割は日本の陸軍士官学校に相当し、中国の近代軍隊の育成に貢献しました。

設立と変遷

東北陸軍講武堂の起源は、1906年に清朝の盛京将軍である趙爾巽によって創立された盛京講武堂にさかのぼります。この学校は徐世昌が東三省総督に就任した1907年以降、名前を東三省講武堂へと改め、さらに拡張を図りました。しかし、辛亥革命の影響で1911年に一時的に閉鎖されます。

その後、1912年には再び開校されましたが、その後1915年に再度の閉校を迎えます。中華民国の成立後、張作霖の力を背景に青年たちを軍官として育成する目的で、学校は1919年に名称を奉天陸軍講武堂に変更し再開されました。以降、東三省・奉天で急拡大する軍閥と共に学校も成長しつつありました。

発展と教育

1924年には第二次奉直戦争を経て、奉天派は中央政府の影響力を強化しましたが、士官教育機関としての東北陸軍講武堂は年間400名程度の卒業生を輩出するだけでした。そのため、新たな教育班や教導団の設立が行われ、優秀な将兵が選抜・育成される体制が敷かれました。

張作霖の政権が安定すると、学校はさらに発展し、名実ともに東北全域にその名を知られるようになります。しかし、1928年に張作霖が暗殺されると、指導者が交代し、学校名も再び東北講武堂に改称されます。

終焉の時

1931年の満州事変が勃発すると、東北陸軍講武堂は運命を共にすることになります。既に他の勢力と手を組んでいた張学良は、翌年の11月に学校の閉鎖を発表します。そして、その後の日本軍の侵攻により、講武堂は事実上の消滅となります。

現在の状況

現在、4000平方メートルの敷地の一部に当たる730平方メートルは保存され、東北陸軍講武堂旧址紀念館として一般に公開されています。ここには当時の伝統的な建物が残されており、歴史を振り返る大切な場所となっています。

主な教官と卒業生

講武堂の歴代教官や副監督には張作霖や張学良などが名を連ね、教育長も多くの著名な人物が歴任しました。また、大学の卒業生には張学良や孫烈臣など多くの名将が含まれています。彼らは中国の軍歴において重要な役割を果たしました。

このように、東北陸軍講武堂は近代中国の軍事教育の中心として、多くの影響を与えてきた歴史的な教育機関なのです。

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