東南極

東南極の概要

東南極（ひがしなんきょく）、つまりEast Antarcticaは、南極大陸の中でも主に東半球に位置する地域を指します。ただし、西半球の一部も含まれるため、その境界の理解には注意が必要です。この地域は、西南極と対をなす存在であり、地理的な分割としては、南極横断山脈がこの2つの地域を明確に分けています。

地形や地域的特徴

南極点を中心にした地図を用いると、経度0度を上に、経度180度を下に配置し、南極横断山脈がW60度からE150度にかけて南極点の下を通ります。その結果、この山脈によって右側に位置する2/3の地域が東南極と考えられています。

この地域は、南極大陸の中で特に古い地質構造を持つことが特長で、カナダ楯状地やシベリア大陸、イルガーン・クラトンなどと同様に、非常に古いクラトンとされています。これにより、地域特有の地形や地質が形成されています。

東南極の氷床と最高点

東南極は、主に厚い氷床、すなわち東南極氷床に覆われています。この氷床は平均標高が約3,000メートルにも達し、そのためこの地域全体は「南極高原」とも呼ばれています。特に注目すべきは、ドームAが東南極の最高点であり、標高は4,093メートルに達します。しかし、ガンブルツェフ山脈の地下には少なくとも600メートル分の氷が存在しています。

ボストーク湖の存在

この東南極には、ボストーク湖という特異な淡水の氷底湖があります。この湖は、厚さ4キロメートルの氷の下に隠れた存在で、少なくとも42万年前から氷の下にあったとされています。これは、氷床の厚さと古い時代の保存状態を示す重要な証拠です。ボストーク湖は、将来的に地球環境や生態系に関する研究においても重要な意味を持つ場所とされています。

歴史的な名称の変遷

「東南極」という用語は20世紀初頭から使用されていましたが、特に注目されたのは1957年から1958年の国際地球観測年の際で、この時期に広く使われるようになりました。このように、東南極は単なる地理的な区分を超えて、地球科学研究においても重要な位置を占めているのです。

これらの情報を踏まえ、東南極の独自性やその研究の重要性を理解することで、南極大陸全体への理解が深まるかもしれません。

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