東南極氷床

東南極氷床の概要

東南極氷床（East Antarctic Ice Sheet、EAIS）は、南極に存在する二つの主な氷床の一つであり、地球で最大の氷床として知られています。この氷床は、西経45度から東経168度にかけて広がっており、その大きさと質量は西南極氷床よりも圧倒的に大きいです。東南極氷床と西南極氷床は南極横断山脈によって隔てられています。

地理的特徴

この氷床は、大部分が海面下にある岩盤に乗った西南極氷床と異なり、広大な陸地に乗っています。特に、東南極氷床には、南極大陸で最も厚い氷層である地点（厚さは約4,800メートル）、東南極山脈、そして南極点が含まれています。これらの地形は、地球上でも特にユニークな特徴を持ち、寒冷なクリンバ環境を形成しています。また、始新世の終わりにガンブルツェフ山脈から滑り落ちた雪がこれらの氷床を形成したと考えられています。

氷量の変化

現在、地球温暖化に伴う影響がこの地域の氷床にも及んでおり、国際的な科学研究では、この現象は極冠の融解が主な要因として取り上げられています。GRACEに基づく研究によると、東南極氷床は毎年約570億トンもの氷を失っており、南極全体で見れば、年間152立方キロメートル（約1390億トン）の氷が減少しています。この厳しい環境変化が、全地球的な気候にどのような影響を与えるかが懸念されています。

温度変化

気温も大きな変化を遂げており、1980年代から1990年代にかけての東南極の寒冷化は、西南極氷床の温暖化の影響が一因とされています。この地域では、近年50年間の温暖化傾向が観察され、10年あたり約0.1度以上の上昇が記録されています。南極大陸全体の平均表面温度も、1957年以降おおよそ10年あたり0.05度以上増加しており、これが氷床変動に影響を与えています。

領有権主張

南極の領有権は多くの国が主張しており、特に東南極氷床においてはイギリス、フランス、ノルウェー、オーストラリア、チリ、アルゼンチンなどがその権利を主張しています。一部の地域において重複する権利があり、国際的な合意が求められています。これらの領有権の問題は、今後ますます重要な国際課題となることが予想されます。

結論

このように、東南極氷床はその巨大さ、独特な地形、そして気候変動の影響を受けている点から、科学界で特に注目されています。今後の変化が、地球規模での環境問題にどのように関連してくるのか、引き続き研究が必要とされています。

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