東大門野球場

東大門野球場の歴史とその後

東大門野球場（トンデムンやきゅうじょう）は、かつて韓国の首都ソウル特別市に位置していた重要な野球場で、1959年の開場から多くの歴史的な瞬間を刻んできました。特に、1905年には皇城基督教青年会と漢城高等学校によって朝鮮半島で初めての野球試合が行われた場所でもあります。このような背景から、野球場は地域のスポーツ文化において極めて重要な役割を果たしてきました。

1982年に韓国のプロ野球が始まり、その開幕試合がこの東大門野球場で行われたことから、また新たな歴史が築かれました。MBC青龍（現LGツインズ）が初期の本拠地として利用しましたが、やがて蚕室総合運動場野球場への移転が決まり、当球場は少しずつ利用されなくなっていきました。その後1985年にはOBベアーズ（後の斗山ベアーズ）が移転してきましたが、こちらも短命に終わり、再び他の球場へと移りました。

以降、東大門野球場はアマチュア野球専用施設としての道を歩み始め、韓国の4大メジャー高校野球全国大会（大統領杯、青龍旗、鳳凰大旗、黄金獅子旗）や大学野球の大会が数多く行われるようになりました。これにより、地域の若い選手たちにとっても重要な舞台となっていました。

しかし、2006年10月、当球場を含む東大門運動場の全面撤去が決定します。この決定に対し、韓国プロ野球選手会やアマチュア野球の各団体が撤去反対の姿勢を示しました。選手たちの意見に基づき、代替球場の問題が深刻であったことも影響を与えました。

それでも、撤去作業は2007年12月18日から始まり、やがてその跡地は新たな用途へと生まれ変わることになります。2009年には東大門歴史文化公園が完成し、地域の新たな観光スポットとして注目を浴びることになりました。アマチュア野球大会は2008年から改装された木洞野球場で主に行われるようになり、小規模な高校野球大会は新たに設立された九宜簡易野球場などで開催されるようになりました。

交通アクセスは便利で、ソウル交通公社の東大門運動場駅（現在は東大門歴史文化公園駅に改称）から徒歩圏内という立地であり、多くの人々が訪れやすい場所として今でも親しまれています。
このように、かつて野球というスポーツの熱気に満ちていた東大門野球場は、現在もその名残を感じさせる場所として存在し続けています。

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