東官郡

東官郡は、中国の東晋時代に設置され、南北朝時代にかけて存在した郡です。現在の広東省東部に位置していました。

歴史

331年（咸和6年）、南海郡を分割して東官郡が立てられました。これは、当時の行政区画の再編によるものでしょう。東官郡は広州に属し、郡治（政治の中心地）は宝安県に置かれました。

南朝宋の時代には、東官郡は以下の6県を管轄していました。

宝安県
安懐県
興寧県
海豊県
海安県
欣楽県

南朝斉の時代になると、管轄する県の数が増え、以下の8県を管轄するようになりました。

懐安県
宝安県
海安県
欣楽県
海豊県
陸安県
斉昌県
興寧県

このように、時代によって管轄する県が変化していることがわかります。これは、人口の変動や経済状況の変化、あるいは政治的な理由によるものでしょう。

589年（開皇9年）、隋が南朝陳を滅ぼすと、東官郡はその役割を終え、廃止されました。そして、広州に編入されることとなりました。これにより、東官郡という行政区画は歴史から姿を消しました。

東官郡は、短期間ではありましたが、広東省東部地域において重要な役割を果たしたと考えられます。その存在は、当時の行政制度や社会情勢を知る上で貴重な情報源となります。

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