東宝サウンドスタジオ

東宝サウンドスタジオの歴史と発展

東宝サウンドスタジオ（とうほうサウンドスタジオ）は、1957年に設立され、2010年までの約半世紀にわたり、映画やテレビドラマの音響制作を行っていた東宝の関連会社です。このスタジオは、東宝の映画製作における音響業務を中心に、様々なプロジェクトに関わっていました。

設立と初期の活動

スタジオの起源は、1957年9月12日に設立された「東宝ダビング」に遡ります。最初は、映画の音響業務のダビングを主に手がけていました。映画の製作において、音響は極めて重要な要素であり、東宝はこの分野で先駆的な役割を果たしました。これにより、東宝は質の高い音響効果を提供し、多くの映画作品に携わっていくことになります。

企業分離と名前の変更

1971年には、経営の合理化を図るために企業分離が行われ、スタジオは「東宝録音センター」という名称に変更されました。この時期からは、東宝以外の映画やアニメ作品の音響制作にも対応するようになり、業務が多岐にわたるようになりました。一方で、1977年には東京映画の移転に伴い、その映像部門を吸収することで、さらに業務が拡大しました。

合併と改組

1990年代に入ると、東宝映像サウンドスタジオとの合併が行われ、スタジオは「東宝サウンドクリエイティブスタジオ」と改組されました。この改組により、さらなる技術革新や作品に対するアプローチが進められました。後に、視覚的な認識の向上を図るため、シンプルに「東宝サウンドスタジオ」という名称に改められることとなります。

技術の刷新と最新設備

2003年リーにおいて、ミキシング卓などの設備が見直され、スタジオの機能が強化されました。2010年9月には、ポストプロダクションセンター第1棟の完成に伴い、スタジオの機能がそちらに移転。これにより、東宝サウンドスタジオはその役目を終え、翌年には新たに改装されたポストプロダクションセンター第2棟が開設されました。

2016年には音響設備が一新され、2022年9月には最新のコンソール「Avid S6」が導入されるなど、時代の変化に対応した音響制作環境の構築が行われています。これにより、ますます進化する映画やドラマのための音響制作が可能となりました。

所属スタッフと参考文献

東宝サウンドスタジオには、多くの優秀な音響スタッフが在籍し、彼らの技術と創造力が作品に生かされていました。参考文献としては、井上英之の『検証・ゴジラ誕生―昭和29年・東宝撮影所』や、佐藤忠男編集の『日本の映画人―日本映画の創造者たち』などが挙げられます。これらの資料には、スタジオの歴史や音響制作の重要性について詳しく記されています。

このように、東宝サウンドスタジオは日本の映画制作における音響の重要な一端を担ってきた存在であり、その足跡は今も多くの人々に影響を与えています。

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