東宝ビルト

株式会社東宝ビルトの歴史

株式会社東宝ビルト（とうほうビルト）は、東京都世田谷区大蔵に位置していたテレビと映画の撮影スタジオであり、東宝の連結子会社として知られています。このスタジオは、その存在自体が日本の映像文化に多大な影響を与え、特に「ウルトラシリーズ」の撮影での重要さから「特撮の聖地」とも称されることがありました。

スタジオの概要

閉鎖時点で、東宝ビルトは約6000坪の広い敷地に、6つのステージと多様な施設を備えていました。かつては8つのスタジオと1つのオープンセットが存在していた時期もあり、映画制作の拠点として多くの著名な作品がここで制作されました。設立当初から、映画『赤ひげ』や『七人の侍』の撮影に使用されたオープンセットが、美術倉庫として利用されていたのが始まりとされています。

設立から閉鎖までの歴史

東宝ビルトは1962年10月に東京美術センターとして設立され、その後1973年には東宝ビルトに名称を変更。撮影スタジオとしての機能が拡充され、多くの作品に使用されるようになりました。1981年1月、周辺民家からの火災が発生し、オープンセットやスタジオが全焼するという大きな被害を受ける一方で、再建への道も模索されました。

1996年には円谷プロダクションからの出資を受け、No.5ステージが改造され、さらなる発展を遂げました。しかし、1990年代に入ると施設の老朽化が問題視され、周辺地域の開発に伴う騒音問題や交通の不便さも指摘されるようになりました。

2005年には解体計画が持ち上がる中、事務所外壁の塗り替えが行われ、外観が刷新されましたが、結局2007年に東宝のスタジオへ機能が集約されることが決定され、2008年には閉鎖されることとなりました。特に、最後の撮影は『行け!行け!ゴッドマン&グリーンマン』のDVD-BOX特典として制作された新作『行け!ゴッドマン』で、これがこのスタジオの歴史に幕を閉じました。

閉鎖後の再開発

解体後、跡地は再開発され、大和リビングによって集合住宅「コモレビ大蔵」が建設されました。このように、かつての映画制作の拠点は、地域の新たな residential spaceとして生まれ変わりました。

脚注と参考文献

このスタジオの歴史や影響については、講談社が編纂した『円谷ヒーロー ウルトラマン全史』などの資料が参考になります。映画制作におけるこのスタジオの重要性や、関連するプロダクションについては、これからも語り継がれていくでしょう。

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