東山島戦役

東山島戦役

東山島戦役は、1953年7月15日から18日にかけて、中国福建省東山島で発生した中華民国軍と中国人民解放軍との間の戦闘です。

背景

国共内戦の結果、1949年に中国国民党率いる中華民国政府は中国大陸での統治権を失い、台湾へと拠点を移しました。しかし、中華民国軍は、中国西南部の山岳地帯や東南沿岸部の島嶼地域において、中国共産党に対する軍事作戦を継続していました。1950年になると、舟山群島や海南島が人民解放軍に制圧され、さらに西南部でも人民解放軍がビルマ国境地帯に進攻したため、国民党の支配地域は台湾、および福建省や浙江省沿岸の一部島嶼（金門島、大陳島、一江山島など）に限られました。この状況下で、国民党軍は東シナ海沿岸での海上ゲリラ戦術を用いて共産党に対抗していました。

1950年6月に朝鮮戦争が勃発すると、中国共産党は台湾への軍事行動を一時停止しました。この間隙を突いて、国民党軍は反撃を試み、1952年の南日島戦役では上陸作戦を成功させました。この戦いの勝利は、東山島戦役へと繋がる上陸作戦の実行を国民党軍に促しました。

侵攻

1953年7月15日の夜明け前、国民党軍の上陸部隊を乗せた海軍艦艇13隻とジャンク船30隻が、金門島を出港し、東山島への上陸作戦を開始しました。国民党軍は東山島への上陸に成功したものの、人民解放軍守備隊の迫撃砲による激しい砲撃により、揚陸艦艇3隻を失うなどの損害を被りました。人民解放軍の守備隊は、上陸地点から島の反対側にある八尺門に立て籠もり、国民党軍は空挺作戦を試みましたが、これは失敗に終わり、甚大な損害を被りました。

東山島の制圧に手間取っているうちに、7月17日には大陸から人民解放軍の援軍が到着し始め、戦況は一気に逆転しました。国民党軍はこれ以上の損害を避けるため、撤退を決断しました。

結果

東山島戦役の結果、国民党軍は大陸沿岸への大規模な上陸作戦を二度と実行しなくなりました。以後の作戦は、小規模な襲撃作戦に限定されることとなりました。この戦いは、国共内戦後における国民党軍の対共産党戦略において、重要な転換点となりました。

東山島戦役は、国民党軍が上陸作戦の難しさを改めて認識させられる結果となりました。この作戦の失敗は、その後の両軍の戦術に大きな影響を与えることとなりました。

注釈

脚注

参考文献

関連項目

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