東山手十二番館

東山手十二番館

東山手十二番館は、長崎県長崎市東山手町に位置する、明治時代初期に建てられた木造洋館です。オランダ坂近くに佇むこの建物は、長崎市大浦・東山手に現存する洋館の中で最も古いものとして知られています。その歴史的価値から、1998年（平成10年）には主屋と附属屋の2棟が国の重要文化財に指定され、現在は「旧居留地私学歴史資料館」として一般に公開されています。

概要

平屋建ての洋館は、主屋と附属屋で構成されています。主屋には広々とした三つの部屋があり、領事館時代には客間や事務室として使用されていました。一方、附属屋は主屋に比べて間取りが狭く、領事館員の居住空間として利用されていたと考えられています。

外壁は主屋・附属屋ともに下見板張りで、内装は漆喰仕上げとなっています。建物の西側（海側）には広いベランダが設けられ、開放的な空間を演出しています。

建設当初、この建物はアメリカ人商人のウォルシュによって建てられ、ロシア領事館として使用されました。その後、アメリカ領事館やメソジスト派宣教師の住宅として転用されました。1976年（昭和51年）に活水学院から長崎市に寄贈され、現在に至ります。

歴史

1868年（明治元年） - 建設。
1941年（昭和16年） - 活水学院に譲渡。
1976年（昭和51年） - 活水学院より長崎市に寄贈。
1995年（平成7年） - 建物の全面修復を実施。
1998年（平成10年）12月25日 - 重要文化財に指定。
2005年（平成17年）3月 - 2年半に及ぶ保存修復作業が完了。

長崎市旧居留地私学歴史資料館

東山手十二番館の建物内部は展示室として利用されており、長崎市を発祥の地とするキリスト教各派の宣教師たちによって創設された私学に関する貴重な資料が展示されています。これらの資料を通して、長崎の私学の歴史と、その発展に貢献した人々の足跡を辿ることができます。

開館情報

開館時間：午前9時～午後5時
休館日：年末年始（12月29日～1月3日）
入館料：無料

所在地

長崎県長崎市東山手町3番7号

アクセス

長崎電気軌道5系統 大浦天主堂下電停下車後、徒歩約5分

参考文献

長崎市広報広聴課『ながさき自由研究所』長崎市,2013年4月

関連項目

東山手

外部リンク

* 長崎市観光宿泊サイトによる紹介

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