東山手

長崎市東山手について

長崎市東山手は、長崎港を見下ろす高台に位置する、歴史的な町名および地域名称です。この地域は、隣接する大浦町の一部を含み、長崎市東山手伝統的建造物群保存地区として、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。また、長崎市の景観形成重点地区にも指定されており、その美しい景観は保護されています。

歴史

江戸時代まで、現在の東山手一帯は戸町村大浦郷の雄浦と呼ばれていました。1858年（安政5年）の安政五カ国条約締結により長崎港が開港すると、1860年（万延元年）には、長崎で最初の外国人居留地として開かれました。この時、居留地の東側の山手に位置していたことから、「東山手」という地名が付けられました。

当初、丘陵地である東山手は、アメリカやイギリスの貿易商の借地として利用されていました。その後、海岸部の埋め立てが進むと、外国人たちは海岸部に拠点を移し、東山手にはアメリカとポルトガルの領事館が開設されました。このことから、東山手は「領事館の丘」とも呼ばれるようになりました。領事館が撤退した後には、ミッション系の学校が相次いで設立され、現在も活水学院や海星学園としてその歴史を受け継いでいます。

1991年（平成3年）4月30日には、近隣の南山手地区と合わせて、重要伝統的建造物群保存地区として選定されました。

主な施設・建造物

オランダ坂：東山手を代表する坂道で、石橋から東山手に至る部分は1861年（文久元年）に石畳が敷設されました。
東山手十二番館：国の重要文化財に指定されている、歴史的建造物です。
東山手甲十三番館：美しい洋風建築が特徴的な建物です。
東山手洋風住宅群A棟 - G棟：長崎市指定文化財に指定されており、急斜面地に上下2段に造成された土地に建つ、明治時代後期に建てられた洋館群です。
旧長崎英国[[領事館]]：かつての英国領事館で、歴史的な建築物として保存されています。
活水女子大学：ミッション系の大学で、東山手の歴史と深く関わっています。
活水学院本館：活水学院の主要な建物で、歴史的な価値が高いです。
海星中学校・高等学校：男子校で、東山手の丘の上にあります。

参考資料

『わが町の歴史散歩（1）』新波書房、1993年。
『長崎市の文化財』（第10版）長崎市教育委員会、2009年。
『長崎異人街誌』葦書房、1978年。
文化遺産オンライン
* 『東山手・南山手地区景観形成重点地区』　長崎市公式ウェブサイト

東山手は、長崎の歴史と異国情緒を感じられる貴重な場所です。その美しい景観と歴史的な建造物は、訪れる人々を魅了し続けています。

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