東平洲

東平洲（トンピンチャウ、英語：Tung Ping Chau）は、香港新界大埔区に属する離島であり、香港の最北東端に位置しています。香港本土からは遠く離れており、中国大陸に非常に近い場所にあります。かつては単に「平洲」と呼ばれていましたが、香港に存在する別の島である「坪洲」との混同を避けるために、現在の「東平洲」という名称が用いられるようになりました。

島内には山と呼べるほどの高所はなく、小高い丘陵が点在する程度です。特筆すべきは、波の浸食によって形成された独特の形状を持つ岩が数多く存在することです。これらの奇岩は、東平洲の景観を特徴づける重要な要素となっています。現在は無人島となっており、かつて人々が生活していた家屋は廃墟となって残っています。

しかし、島の元住民たちは、週末や休日になると島に戻り、店を経営したり、観光客を迎え入れたりしています。また、中国大陸からの不法侵入を防ぐため、警察官が島に常駐しています。

東平洲へのアクセスは、香港の市街地からやや不便な場所に位置しているため、事前の計画が不可欠です。まず、MTR（港鉄）東鉄線の大学駅で下車します。その後、海側の出口から出て、馬料水埠頭に向かいます。馬料水埠頭からは、東平洲行きのフェリーが運航しており、所要時間は約90分です。ただし、このフェリーは土曜日、日曜日および祝日のみの運航となっています。そのため、東平洲を訪れる際は、フェリーの運行スケジュールを事前に確認しておくことが重要です。

東平洲は、その独特の地形と静寂な雰囲気が魅力であり、香港の喧騒から離れて自然を満喫したい人にとって最適な場所と言えるでしょう。また、かつて人々が生活していた痕跡が残る廃屋群も、歴史を感じさせる魅力的な要素となっています。

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