東広島市立竹仁小学校

東広島市立竹仁小学校（ひがしひろしましりつたけにしょうがっこう）は、かつて広島県東広島市福富町下竹仁に所在した公立小学校です。

概要

この学校は、東広島市の北部に位置し、長年にわたり地域の子供たちの学び舎として重要な役割を果たしてきました。学校の特色の一つとして、小規模特認校に指定されていた点が挙げられます。これにより、東広島市内であれば、学区外から通学を希望する保護者の児童も入学や転入をすることが可能でした。地域の学校でありながら、より広い範囲からの児童を受け入れる柔軟な教育環境を提供していたと言えます。

しかし、時代の流れと共に児童数が減少し、学校の将来について検討が進められました。その結果、同じ福富町内にある東広島市立久芳小学校との統合が決定。2021年3月28日には、多くの卒業生や地域住民が見守る中、閉校式が執り行われ、その長い歴史に幕を下ろしました。竹仁小学校と久芳小学校は統合され、新たに東広島市立福富小学校が開校し、両校の歴史と伝統は新しい学校に引き継がれています。

沿革

竹仁小学校の歴史は非常に古く、近代日本の教育制度が始まったばかりの時期にまで遡ります。1873年3月、学制の施行を受けて「進道館」として産声を上げました。その後、1877年5月には「竹仁小学校」と名称を改め、地域における小学校としての基盤を築いていきます。時代の変遷と共に教育制度も変化し、1891年5月には「竹仁尋常小学校」となります。1930年10月には学校のシンボルとなる校歌が制定され、多くの児童に歌い継がれました。

太平洋戦争中の1941年4月には国民学校令により「竹仁国民学校」と改称。戦後、教育制度が再編成される中で、1948年4月には「竹仁村立竹仁小学校」となり、同年5月には現在の場所へと移転しました。地域の自治体再編に伴い、1955年7月には福富町の発足により「福富町立竹仁小学校」と改称。その後、学校施設の充実も図られ、1974年12月には屋内運動場が、1986年3月には新校舎が完成し、より良い学習環境が整備されました。

2005年2月、市町村合併により福富町が東広島市に編入されたことに伴い、「東広島市立竹仁小学校」となります。比較的新しい設備としては、2006年6月に完成した新プールがあります。そして、前述の通り、2021年3月28日に東広島市立久芳小学校と統合し、新たな東広島市立福富小学校となったため、竹仁小学校としての歴史は閉じられました。

学校行事

竹仁小学校では、年間を通して様々な学校行事が行われ、児童たちの成長を促すとともに、学校生活に彩りを添えていました。4月には新年度の始まりを告げる入学式と、クラスや学年の親睦を深める遠足が実施されました。5月には、近隣の中学校と合同で行われる運動会が開催され、地域全体で盛り上がる一大イベントとなっていました。また、高学年の児童にとっては、記憶に残る修学旅行もこの時期に行われました。

秋深まる11月には、児童たちが日頃の学習の成果や才能を発表する学習発表会が開催され、保護者や地域住民に子供たちの活躍を披露する機会となりました。冬場の2月には、体力向上を目指す校内持久走大会が実施され、児童たちは自分の限界に挑戦しました。そして、年度の終わりである3月には、卒業生を送り出す感動的な卒業式が執り行われ、学び舎を巣立つ子供たちの門出を盛大に祝いました。

通学区域と周辺環境

竹仁小学校の主な通学区域は、東広島市福富町内の上竹仁地区と下竹仁地区でした。地域の子供たちはこの学校に通い、共に学び成長しました。卒業生は、多くの場合、地域の東広島市立福富中学校へ進学しました。

学校の周辺地域は、豊かな自然環境に恵まれており、四季折々の風景の中で子供たちはのびのびと学校生活を送っていました。近くには福富ダムがあり、地域のランドマークとしても知られています。このような自然環境は、学校の教育活動にも良い影響を与えていたと考えられます。

竹仁小学校はその歴史に幕を閉じましたが、地域の人々の心の中には、子供たちの声や学び舎での思い出が深く刻まれています。その精神と伝統は、統合によって生まれた福富小学校へと受け継がれ、これからも地域の子供たちの未来を育んでいくことでしょう。

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