東急シェアリング

株式会社東急シェアリング

株式会社東急シェアリングは、過去に東急グループの一員として、リゾート分野におけるタイムシェアリング事業を展開していた日本の企業でした。かつては東京都渋谷区に本社を置いていましたが、2023年4月1日をもって、同じく東急グループ内の東急ホテルズ&リゾーツ株式会社に吸収合併され、法主体としての活動を終えました。しかし、同社が運営を手掛けていたリゾートホテル事業である「東急バケーションズ」は、現在も東急ホテルズ&リゾーツ株式会社のもとで事業が継続されています。

東急バケーションズの事業概要

東急バケーションズの事業は、親会社である東京急行電鉄（現：東急株式会社）がリゾート事業への参入を決めたことから始まり、1999年に「ビッグウィーク」という名称でサービスを開始しました。この事業モデルの核となるのは、利用者が特定の施設や期間の利用権を事前に購入し、契約条件に基づいてリゾート施設を利用できるというものです。

主な利用形態として、以下の二種類が提供されていました。

タイムシェア制: 特定の1週間（多くの場合7泊8日）を単位として、リゾート施設の利用権を20年分まとめて取得する方式です。契約した週と施設は、契約期間中、毎年決まった時期に利用することが可能です。
チケット制: 1泊単位で利用できるチケットを年間7枚付与される形式で、これを5年分まとめて購入する方式です。こちらは特定の週に縛られることなく、購入したチケットの有効期間内であれば、施設の予約状況に応じて比較的自由に利用できるのが特徴です。

これらの仕組みにより、顧客は一定の費用で計画的にリゾート滞在を楽しむ機会を得ていました。

沿革

株式会社東急シェアリングおよびその前身となる企業の主な沿革は以下の通りです。

1999年（平成11年）1月25日: 親会社である東京急行電鉄が、リゾート分野への新たな取り組みとして、タイムシェアリゾート事業への参入方針を公表しました。
1999年（平成11年）7月2日: この新規事業を運営するための中心会社として、株式会社東急ビッグウィークステーションが設立されました。
1999年（平成11年）10月: 事業の第一号施設となる「ビッグウィーク京都」が京都府京都市東山区にオープンし、サービス提供が開始されました。
2017年（平成29年）4月1日: 企業名称の変更が行われ、株式会社東急ビッグウィークステーションから株式会社東急シェアリングへと商号が改められました。同時に、運営するリゾートブランド名も「ビッグウィーク」から現在の「東急バケーションズ」へと変更されました。
* 2023年（令和5年）4月1日: 東急グループ全体のホテルおよびリゾート事業の体制見直しに伴い、株式会社東急シェアリングは組織再編の対象となりました。この日、東急ホテルズの運営機能を引き継ぐために一時的に設立された「TKホテル準備会社」に、株式会社東急シェアリングが吸収合併される形で統合されました。その後、「TKホテル準備会社」は東急ホテルズと合併し、「東急ホテルズ&リゾーツ株式会社」として発足しました。これにより、株式会社東急シェアリングという法人は消滅しましたが、その事業である「東急バケーションズ」は、新しい組織のもとで引き続きサービスが提供されています。

現在

法人としての株式会社東急シェアリングは消滅しましたが、同社が展開していたリゾートタイムシェア事業「東急バケーションズ」は、吸収合併先の東急ホテルズ&リゾーツ株式会社の事業ラインナップの一部として継続されています。これは、親会社である東急グループ全体の戦略において、多様なリゾート滞在モデルが重要視されていることを示唆しています。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社は、従来のホテル運営に加え、タイムシェアのような多様な宿泊・利用形態を提供することで、幅広い顧客ニーズに応える事業を展開しています。

このように、株式会社東急シェアリングは、一度の商号変更を経て、最終的に東急グループの組織再編の中で吸収合併される形となりましたが、同社が築き上げたリゾート事業は、新たな体制のもとで脈々と受け継がれています。関連する企業としては、現在の事業主体である東急ホテルズ&リゾーツ株式会社、そして親会社である東急株式会社などが挙げられます。

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