東急デハ20形電車

東急デハ20形電車

東急デハ20形電車は、東京急行電鉄（現：東急電鉄）の前身である玉川電気鉄道（玉電）で使用されていた木造ボギー電動車です。玉電の歴史を語る上で欠かせない存在であり、その変遷は興味深いものがあります。

概要

1925年、下高井戸駅～三軒茶屋駅の開通に合わせて、蒲田車両で10両が新造されました。これは玉電における最後の木造ボギー車となります。当初は36号形と呼ばれており、先に製造された31号形と類似した構造を持ちながらも、前後がオープンデッキであり、中央に引き戸を備えている点が特徴でした。

その後、東京横浜電鉄への吸収合併、そして東京急行電鉄（大東急）の発足に伴い、デハ20形へと改番されました。戦後には、集電装置がダブルポールからビューゲルへと換装され、22号車を除く車両は車体延長や運転台の高床化といった модернизацияが実施されています。

鋼体化とその後

デハ1形と共に木造ボギー車であったデハ20形は、試験的にデハ80形の設計を基にした鋼体化が行われ、デハ87となりました。この結果が良好であったため、1954年以降、残りのデハ1形およびデハ20形の木造車も同様に鋼体化されることになりました。一方で、1945年に箱根登山鉄道小田原市内線に譲渡された25 - 27号車を除くデハ20形は、1955年までに廃車され、鋼体化された車両は80形の103 - 108号として新たな жизньを歩むことになります。

箱根登山鉄道に譲渡された3両は、軌道線廃止後に鋼体化され、長崎電気軌道へと譲渡。150形153 - 155号として活躍しましたが、1200形などの新型車両の増備に伴い、廃車されました。なお、旧王子電気軌道に所属していた同型の151号は、事業用車両として在籍していました。

江ノ島電鉄への譲渡と保存

鋼体化された旧デハ20形の7両のうち、87・103・108号は1969年5月11日の玉川線廃止と共に廃車となりました。しかし、104 - 107号は二代目の87 - 90号と改番された後、廃止の翌年である1970年に江ノ島鎌倉観光（現：江ノ島電鉄）に譲渡されました。同社では600形（601 - 604）として使用されましたが、1990年までに全車廃車となっています。そのうち、601号車（旧東急デハ104→デハ87 II）は、現在世田谷線宮の坂駅脇に保存されており、その姿を今に伝えています。

東急デハ20形電車は、玉電の историческое наследиеを сегодня伝える貴重な存在です。その歴史を知ることで、日本の鉄道史への理解も深まることでしょう。

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