東急デハ40形電車

東急デハ40形電車

東急デハ40形電車は、東京急行電鉄（現・東急電鉄）の前身である玉川電気鉄道で使用されていた電車です。玉川線（旧・玉川電気鉄道線）で活躍しました。

概要

1928年から1930年にかけて、玉川電気鉄道56号形として日本車輌製造で11両が製造されました。玉電初の密閉式3扉車であり、当時の窓配置は1wD6D6wD1（wDは2枚引戸、前後は戸袋の狭窓）、集電装置はトロリーポールを前後に2基ずつ装備したダブルポール式、運転台付近は低床構造という特徴を持っていました。

本形式以降、玉川電気鉄道では車両の増備が行われず、1938年に東京横浜電鉄に吸収合併されたため、玉川電気鉄道としては最後の新造形式となりました。

東京横浜電鉄への吸収合併後、東京急行電鉄（大東急）が発足し、デハ40形と改番されました。この際、デハ30形の35号（初代）が52号に改番されて編入されたため、総数は12両となりました。ただし、52号はデハ30形の形態を維持していたため、デハ40形の中では異端車として扱われました。

戦後には、以下の更新工事が実施されました。

集電装置をビューゲルに改良
車体延長による運転台の側窓取り付けと高床化
側窓の二段上昇式への変更
重連運転に備え直接制御の間接非自動制御（HL）化
空気制動の非常管付直通制動（SME）化
自動連結器等の取付改造

連結2人乗り改造は実施されず、晩年はデハ30形と共に主に朝のラッシュ時専用として運用されました。

デハ30形と同様に、1968年から廃車が開始され、玉川線・砧線の廃止日である1969年5月11日に全車が廃車となり、形式消滅しました。

参考文献

* 『世界の鉄道 '64』 朝日新聞社、1963年10月

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