東急プロパティマネジメント

東急プロパティマネジメント株式会社は、東急グループにおける不動産運営・管理事業の主要な役割を担う企業です。東京都世田谷区に本社を構え、正式名称はTokyu Property Management Co.,Ltd.と表記されます。

同社は日本の大手私鉄である東急電鉄沿線を中心とした開発を手掛ける東急株式会社の完全子会社です。東急グループ内には、都心五区を主な事業エリアとする東急不動産や東急コミュニティーといった東急不動産ホールディングス傘下の企業群がありますが、東急プロパティマネジメント株式会社はこれらとは異なる位置づけにあり、グループ内での事業領域の棲み分けがなされています。首都圏、特に渋谷エリアや東急線沿線における豊富な不動産運営および管理の実績を持っています。

2021年4月1日には、親会社である東急株式会社が行っていたプロパティマネジメント事業を移管・統合し、これにより賃貸不動産の運営機能と管理機能の両方を一体的に提供できるワンストップサービス体制を確立しました。

同社が管理を手掛ける主な施設は多岐にわたります。渋谷エリアだけでも、渋谷地下街、渋谷ヒカリエ、渋谷ストリーム、渋谷キャスト、セルリアンタワー、渋谷マークシティといった著名なビルや商業施設に加え、東急百貨店本店（旧）、ザ・キャピトルホテル 東急、東急病院などの管理実績があります。また、東急線沿線の主要商業施設であるたまプラーザテラス、青葉台東急スクエア、南町田グランベリーパーク、日吉東急avenueなども手掛けています。

環境活動にも積極的に取り組んでおり、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証を継続的に取得しています。省エネルギーソリューションの積極的な導入や、再生可能エネルギーの活用、省エネ推進を通じて脱炭素化を推進しています。その具体的な取り組みとして、2021年4月1日には自社の研修センターで使用する電力を、太陽光や風力などCO2を排出しない100%再生可能エネルギー由来のものへ切り替えています。

会社の歴史は古く、その源流は1956年4月27日に設立された東洋不動産管理株式会社に遡ります。ビル総合管理を目的に設立された同社は、同年11月に東急傘下となり、その後東急管財へと商号を変更しました。設立当初は現在の事業とは異なる事業も行っており、1961年には城南交通として交通事業を開始し、これが渋谷サービス、東急サービスと変遷した後、タクシー・ハイヤー事業は廃止または譲渡されています。

その後の沿革では、東急コンピュータシステムや市民レストランシステムといった関連会社の設立・吸収合併、セキュリティ部門の一部を東急セキュリティとして分社化（後に警備事業を一元化）、北海道での施設管理部門統合など、事業再編やグループ内での組織変更が多数行われてきました。マンション管理事業は2015年に東急コミュニティーへ移管され、ホテル清掃、フードサービス、人材サービスといった事業も後にグループ内の関連会社へ分割されています。2017年には本社を世田谷ビジネススクエアへ移転し、分散していた本社機能を統合しました。

そして2021年4月1日、東急株式会社からの不動産運営事業の移管を受けると共に、商号を東急ファシリティサービス株式会社から現在の東急プロパティマネジメント株式会社に変更しました。この組織再編により、不動産の運営と管理機能が一体化され、より総合的なサービス提供が可能となりました。

主要な関係会社としては、親会社である東急株式会社のほか、東急技術センター株式会社、TFトータルサービス株式会社などが挙げられます。かつては東急管財や東急サービス、市民レストランシステムなど、多くの企業や事業が同社の傘下や関連事業として存在していました。

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