東急百貨店本店

東急百貨店本店の歴史と役割

東急百貨店本店は、東京都渋谷区に位置する重要な商業施設でした。1967年11月の開店から2023年の閉店まで、多くの顧客に利用され、多彩な商品とサービスを提供しました。この百貨店は、電鉄系の百貨店として名を馳せ、渋谷駅から徒歩でアクセス可能な地点に立地していました。

開発の経緯

本店の開業は、当初の地元の小学校を取得することに始まりました。1964年、東急百貨店は渋谷区立大向小学校の土地を購入し、その後新しい百貨店の建設が始まりました。1967年に開店した時、東急本店は東横店を本店に替え、地下3階、地上9階建ての巨大な商業施設を誇っていました。その最大の特徴は、広大な売場面積で、35,367㎡を誇り、来客の利便性を高めていました。

東急本店は、販売業績も優秀でした。特に、2008年度には売上高が1,243億円に達し、全国第8位の地位を確立。近隣高級住宅街からの客層も多様であり、アクセスの良さと利便性が高いことから、常に賑わいを見せました。

文化との融合

1989年には、隣接する地域に複合文化施設『Bunkamura』が開業し、さらに文化と商業が融合した空間が生まれました。Bunkamuraと連絡通路で接続され、訪れる客は映画や文化イベントの後に買い物を楽しむことができるようになりました。このように、東急本店は単なる商業施設ではなく、地域文化の集積地となったのです。

老朽化と再開発

2021年には、親会社である東急グループから、建物の老朽化を理由に2023年に閉店し、再開発を行うことが発表されました。新しい再開発計画『Shibuya Upper West Project』は、地上36階、地下4階の複合ビルを建設するもので、住宅やホテル、商業施設を含む大規模なプロジェクトとなっています。このプロジェクトには海外の不動産企業も参加しており、2027年の完成を目指しています。

フロアの特色

東急本店は、各階ごとに多様な特色を持っていました。屋上はガーデニングやビアガーデンが設けられ、8階には美術画廊やレストラン、7階には書籍や文房具が揃い、6階では家庭用品や子供服、5階には婦人服やジュエリーのフロアがありました。また、地下1階には食品売場があり、新鮮な食品や独特な商品を取り扱い、多くの人に親しまれていました。

結び

こうして、東急百貨店本店는長い歴史を経て地域に根付いた商業施設として、多くの思い出を残しながら、その幕を閉じることになりました。再開発が進む渋谷において、新しい未来が待ち受けていますが、かつての東急本店が地域社会に及ぼした影響は決して忘れられることはないでしょう。

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