東昌府

東昌府（とうしょうふ）は、中国にかつて存在した行政区画であり、明代初期から民国初期にかけて、現在の山東省聊城市一帯に設置されていました。

東昌府の成立と変遷

1368年（明の洪武元年）、それまで存在していた東昌路が改められ、東昌府が新たに設置されました。これにより、地域行政の再編が行われました。東昌府は山東省に属し、その管轄下には、直属の7県（聊城、堂邑、博平、茌平、清平、莘、冠）に加え、臨清州に属する2県（丘、館陶）、高唐州に属する3県（恩、夏津、武城）、そして濮州に属する3県（范、観城、朝城）の計3州15県が置かれました。これらの地域は、東昌府の行政的な影響下にありました。

清代に入ると、東昌府の管轄地域は一部変更されました。清代の東昌府は山東省に属し、聊城、堂邑、博平、茌平、清平、莘、冠、館陶の8県と、高唐州の計1州9県を管轄するようになりました。管轄する県の数に変化が見られるものの、東昌府が地域における重要な行政拠点であったことは変わりありません。

東昌府は、その存在を通じて地域社会の統治と安定に貢献しましたが、1913年、中華民国成立に伴う行政区画の再編により廃止されました。これにより、東昌府という行政区画は歴史の中にその名を残すこととなりました。

東昌府の管轄地域

東昌府の管轄下には、以下のような地域が含まれていました。

明代
直属の県：聊城、堂邑、博平、茌平、清平、莘、冠
臨清州管轄の県：丘、館陶
高唐州管轄の県：恩、夏津、武城
濮州管轄の県：范、観城、朝城

清代
直属の県：聊城、堂邑、博平、茌平、清平、莘、冠、館陶
高唐州

東昌府の管轄地域は時代によって変遷がありましたが、山東省西部の重要な地域を包括していたことがわかります。

もう一度検索