東洋アフリカ研究学院

ロンドン大学東洋アフリカ研究学院 (SOAS)

ロンドン大学に属するロンドン大学東洋アフリカ研究学院（SOAS）は、イギリスの首都ロンドンの中心部、ラッセル・スクウェアに位置する教育と研究の名門機関です。SOASはアジア、アフリカ、中近東を研究する唯一の地域研究に特化した学校であり、独自の国際的な学問環境を提供しています。

特色と沿革

SOASは1916年に、東洋研究を目的として設立され、国王ジョージ5世の出席のもと正式な開学式を行いました。1941年には現在のラッセル・スクエアにキャンパスを移転し、アフリカの研究も加わり、現在の名称が確立されました。SOASはこれまでに多くの国際的なリーダーや研究者を輩出しており、かつては大英帝国の行政官を育成する役割も担っていました。

特に、SOASは多様な国からの留学生を受け入れており、在籍学生の約40%が海外からの学生です。これにより、国際的な視点が強化された教育と研究の環境が作り出されています。QS World University Rankingsによると、SOASは開発学で世界2位、政治学で17位と高い評価を得ています。

キャンパスと施設

SOASは主にラッセル・スクエアキャンパスを中心に運営されています。このキャンパスは、ロンドンの文教地区であり、大学や文化施設が周囲に点在しています。特にSOAS内には、アジアやアフリカ関連の120万冊以上の蔵書を誇る図書館や、ギャラリーがあります。かつて存在したヴァーノン・スクエアキャンパスは2016年に閉鎖され、全ての施設がラッセル・スクエアに集約されています。

学部とプログラム

SOASは三つの主要学部から構成されており、法学・社会科学部、学芸・人文学部、言語・文化学部としてそれぞれ専門的な学科が設置されています。各学部には40以上の学際的な研究所が存在し、国際的な問題や文化に焦点を当てた研究が行われています。

例えば、開発学科や政治国際学科では、現代社会の問題を分析し、政策提言も行っています。一方、言語・文化学部では、日本や中国、南アジアの言語と文化に関する研究が進められています。

日本との関係

SOASは日本の大学との関係も非常に深く、多くの日本人学生が在籍しています。特に東京外国語大学や上智大学との協定があり、学位を双方から取得できるプログラムも用意されています。さらに、日系文化の研究を深めるために、The Japan Research Centreが設立されており、鎌倉時代から現代の日本文化に至るまで幅広いテーマで研究が行われています。

日本語の教育や、日本が抱える社会科学的な問題の研究も行われており、言語センターでは一般向けの日本語クラスも提供されています。これにより、SOASは国際的な学問の場としてだけでなく、日本研究の拠点としての役割も果たしています。

評価と展望

SOASは他の大学と比較しても、特に地域研究に特化した教育機関として際立っており、その独自性から高い評価を得ています。2023年のQS大学ランキングでの評価はその一例であり、国際的な学生交流や研究の質の高さは、今後の発展にも寄与すると考えられます。

SOASは教育機関としての役割だけでなく、国際社会における問題解決のための知識やスキルを持った人材を送り出す重要な場として、今後も存在感を示していくことでしょう。

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