東海ケーブルチャンネル

東海ケーブルチャンネル（とうかい・けーぶるちゃんねる）は、東海デジタルネットワークセンターに加盟する東海地方のケーブルテレビ事業者によって、かつてデジタルコースの加入者向けに提供されていたコミュニティチャンネルです。複数のケーブルテレビ局が連携し、一つのチャンネルを共同で運営するという、全国的にも珍しい先進的な試みとして注目されました。

設立背景と歴史

チャンネルの起源は、2005年に開催された愛知万博期間中に日本ケーブルテレビ連盟東海支部が運営した「万博チャンネル」の経験にあります。この実績を発展させる形で、2006年（平成18年）6月1日、東海デジタルネットワークセンター加盟局のデジタルサービス上で放送を開始しました。

チャンネル運営の最大の特徴は、加盟各局から提供される豊富な地域情報番組が集約された点です。これにより、東海地方の様々な地域の話題を一つのチャンネルで知ることができました。番組視聴時には、画面右上に提供元のケーブルテレビ局名とエリア名が表示されるなど、視聴者への配慮もなされていました。

運営期間中には、地域情報の発信に加え、年末年始の特別編成や、公式ウェブサイトでの動画配信など、視聴者サービス向上への取り組みも行われました。

地域密着型の情報提供を続けた東海ケーブルチャンネルでしたが、2012年9月30日をもって放送を終了しました。しかし、東海デジタルネットワーク加盟局による共同制作番組の一部は、チャンネル終了後も引き続き放送されており、共同運営の精神は形を変えて引き継がれています。この共同制作の枠組みには、チャンネル稼働当時は非加盟だったスターキャットなども参加しています。

放送内容と編成

東海ケーブルチャンネルでは、加盟各局のコミュニティチャンネルで放送された番組、当チャンネル独自のオリジナル番組、そして地域のイベントなどを扱う特別番組が放送の中心でした。

持ち込み番組では、元の放送時に含まれていたCMやスポットCMがそのまま流れることが一般的でした。ただし、生放送の情報を流す場合や、既に終了したプレゼント企画などが含まれる番組を放送する際には、情報が古いことを示す注意テロップが画面上に表示されるなど、視聴者への配慮が行われました。

深夜や早朝の時間帯には、テレビショッピング番組「ケーブル屋おとりよせ便」が放送されました。また、番組と番組の間の時間調整には、心安らぐ環境映像や、チャンネルの最新情報を伝える短いお知らせ映像が活用されました。

主なオリジナル番組

チャンネル独自で制作されたオリジナル番組は、地域に根差したテーマを中心に多様な内容が提供されました。

末期に放送されていた番組には、以下のようなものがあります。

たくみ〜職人の技と心〜：東海地方の伝統工芸とその職人を紹介。
ワンダフルトリップ：犬旅、参加型ツアー、温泉旅館紹介など、様々なスタイルの旅を提案。
スゴまち20〜にじゅうまる〜：月替わりのテーマで、加盟各局が地域の魅力的なスポットや話題を紹介するリポート番組。
東海うまいもん本舗：地産地消を掲げ、東海地方の食に関する情報を提供。
きのうの言伝〜写真で紡ぐ地域の生活史〜：古い写真と現在の映像で、特定の地域の歴史や暮らしの変遷をたどる。
TCC WORLD：地域のニュースや話題を英語で発信し、公式ウェブサイトやYouTubeでも公開。
* 東海ケーブルチャンネルからのお知らせ：チャンネルの最新情報やオリジナル番組を紹介する広報番組。

また、チャンネル開始初期には、東海ケーブルチャンネルと加盟局が共同で制作し、各地域の観光地などを舞台に情報発信を行った「ロコロコたいむ」といった番組も放送されていました。

特別番組

地域住民の関心が高いスポーツやイベントの特別中継もチャンネルの重要なコンテンツでした。愛知大学野球リーグや中日ドラゴンズ戦のプロ野球中継、日本女子ソフトボールリーグの中継など、スポーツファンに向けた番組が放送されました。さらに、地域を代表する祭りである「浜松まつり御殿屋台引き回し」の生中継なども行われ、地域に密着したケーブルテレビならではの強みを生かした番組提供が行われました。その他にも、「ケーブルフェスタ」関連番組や、各局が制作した特別な企画番組なども放送されました。

東海ケーブルチャンネルは、東海地方のケーブルテレビ局が連携し、地域情報を広域に発信する試みとして、短期間ながらも significant な役割を果たしました。その共同制作の精神は、チャンネル放送終了後も、一部の番組を通じて受け継がれています。

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