東海大学丸二世

東海大学丸二世の概要

東海大学丸二世（とうかいだいがくまる2せい）は、1968年に東海大学によって導入された海洋調査実習船です。この船は、東海大学丸の後継として、石川島播磨重工業の東京第二工場で建造されました。就航当初から様々な海洋調査や実習に使用され、その活動の一環として、同年3月には第1回の海外研修航海を実施しました。この航海では、那覇を出発し、台湾、香港、タイ、フィリピン、小笠原諸島を訪れるルートが選ばれました。

その後、東海大学丸二世は、多岐にわたる役割を果たしました。海洋調査や実習の実施に加えて、戦没者遺骨収集などの重要な活動にも関与しました。こうした活動は、海洋に関する教育と研究の一助となり、学生たちに実践的な経験を提供してきました。1993年には、後継船である望星丸（3代）が就航したことにより、引退することとなりました。

設計と技術的特徴

この船の設計には特有の工夫があり、竣工時にはアンチローリングタンクが設けられました。このタンクは、船に強い横揺れが生じるのを抑える役割を果たすものでしたが、設置位置が船体の上部であることから、左右のタンク間の間隔が狭く、荒天時にはその機能を十分に発揮することができませんでした。そのため、第3回の定期検査の際にこのタンクは撤去されました。

保存と解体決定

1995年以降、東海大学丸二世は東海大学海洋科学博物館に場所を移し、陸上保存されることになりました。しかし、時間が経つにつれて船体は老朽化が進み、その状態が悪化していきました。そして、2016年の12月には解体が決定されました。解体は、船の保存状態などを考慮し、適切に行われたとされています。

関連機関と研究

東海大学丸二世は、海洋学部や海洋学研究科、さらには学校法人東海大学総合研究機構、東海大学海洋研究所といった関連機関とも深い関わりを持っていました。これらの機関は、船を通じて行われた各種の研修や研究に協力し、海洋科学の発展に寄与しています。

また、東海大学の練習船として初めての新造船であったことから、その歴史的意義も大きなものでした。望星丸をはじめとした他の海洋調査船と共に、海洋科学の分野において革新的な取り組みを進めてきたことは、多くの研究者や学生にとって貴重な成果であると言えるでしょう。

このように、東海大学丸二世は、多くの海洋調査や教育活動に貢献し、そのキャリアを全うしました。

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