東海大学学生ロケットプロジェクト

東海大学学生ロケットプロジェクト (TSRP)

東海大学学生ロケットプロジェクト（TSRP）は、1995年に設立された学生主導の団体で、主にロケットの打ち上げ実験を行っています。このプロジェクトの目的は、自主開発したロケットやその関連機器を製作し、高度な技術力を磨くことにあります。また、ロケット打ち上げを通じてプロジェクト管理能力や協調性を育むことで、社会で活躍できる技術者の育成を目指しています。さらに一般の人々に宇宙や宇宙機への関心を広め、航空宇宙分野の発展にも寄与しています。

組織と構成

TSRPは、東海大学工学部内にある航空宇宙学科の特別プロジェクトとして、湘南キャンパスに設立されました。組織には学部生から大学院生までが参加可能で、以下のような班に分かれています。

• - 計測制御班
• - 構造機構班
• - 燃焼班
• - シミュレーション班
• - 広報班

また、打ち上げ実験ごとにそれぞれのプロジェクトチームが編成される体制を取っているため、多様な専門技術を融合させながら活動しています。TSRPは1999年には地球電磁気・地球惑星圏学会に、2001年には大学宇宙工学コンソーシアム（UNISEC）に加盟しました。さらに、2006年度には東海大学チャレンジセンターのプロジェクトとしても認定されています。

主な活動内容

日米共同観測ロケット打ち上げ実験

TSRPはアラスカ大学フェアバンクス校と富山県立大学と協力し、観測ロケットの開発と打ち上げを行っています。ロケットの設計や搭載機器はTSRPが担当しており、アラスカでの打ち上げから良好な結果を得ています。具体的には、「TR-1」や「SRP-4」のロケットが打ち上げられ、それぞれ79km、89kmの高度に達する成功を収めました。最近のプロジェクトでは、「SRP-5」の打ち上げが行われ、こちらも成功を収めています。

ハイブリッドロケット打ち上げ実験

TSRPは全ての部品を自主開発することを最優先にしたハイブリッドロケット打ち上げ実験も行っており、これまでに43機のロケット（H-1からH-49まで）を打ち上げています。2001年の最初の打ち上げ以降、定期的に北海道やアラスカで打ち上げ実験を継続し、ホリデーシーズンには毎年行われるイベントにおいても成果を上げています。一部の打ち上げは様々な理由で中止されることもありますが、技術向上に貢献しています。

CanSat競技への参加

TSRPは小型模擬衛星であるCansatを設計・製作し、能代宇宙イベントのフライバックコンペティションにも参加しています。これによって、学生たちは実践的な経験を得ながら宇宙工学の知識を深めています。

アウトリーチ活動

TSRPは大学宇宙工学コンソーシアムにおいて活動報告や学会発表を定期的に行うことで、研究成果や活動内容を広く伝える努力もしています。こうした活動を通じて、一般の人々への宇宙に関する興味を喚起し、さらなる教育機会の提供を目指しています。

東海大学学生ロケットプロジェクトは、学生たちが実際の工程を通じて技術や知識を学ぶ場として重要な役割を果たしています。未来の宇宙技術者の育成に貢献するこのプロジェクトは、今後の航空宇宙分野における活躍にも期待が寄せられています。

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