大学宇宙工学コンソーシアム

大学宇宙工学コンソーシアム（UNISEC）について

大学宇宙工学コンソーシアム（University Space Engineering Consortium）、通称UNISECは、大学生や高等専門学校生による宇宙工学を実践的に支援するNPO法人です。東京都文京区に本部を置き、2001年に設立された「大学衛星コンソーシアム」と、1999年設立の「ハイブリッドロケット研究会」を基盤として、2002年に統合され現在の形態に至りました。国からのNPO法人格も2003年に得ており、以来、宇宙工学分野における教育と研究の促進を図っています。

主要な活動内容

UNISECは、人材育成、技術開発、アウトリーチ活動の3つをミッションに掲げています。それぞれの分野で、以下のような取り組みを行っています。

1. 研究開発資金の分配：宇宙機関などから受けた資金を構成メンバーに分配し、各種プロジェクトをサポートしています。
2. 技術支援：宇宙機器メーカーや技術者との連携を深め、各大学や高専の技術的なニーズに応える窓口を設けています。
3. 法的問題への対応：衛星の運用にあたる周波数獲得や法的な課題への共同での取り組みを行い、スムーズなプロジェクト進行を支えています。
4. 安全問題の取り組み：打上げや運用にかかわる安全問題について、加盟校が連携して対策を考えています。
5. 打上げ機会の探査：新たな打上げ機会を求めて、国内外で情報を収集し、メンバーの活動を支援します。
6. 技術交流・共同開発：メンバー大学や高専同士の技術交流や共同開発、さらには共同購入の仕組みを整えています。
7. 各種イベントの開催：シンポジウム、ワークショップ、セミナーなどを通じて、知識や技術の普及に努めています。
8. 地域交流に向けたアウトリーチ活動：地域社会との連携を強めるために、幅広いアウトリーチ活動を展開しています。

メンバーとその活動

UNISECには、北海道大学や東京大学、中部大学、大阪大学など、全国から多くの大学や高等専門学校が加盟しています。特に、北海道大学や北海道工業大学はCAMUIロケットの開発、東京大学の中須賀研究室や東京工業大学の松永研究室はCubeSatの開発に取り組んでいます。2016年時点で、全国から50の大学と70団体がこのコンソーシアムに参加しています。

年に一度、7月には東京で総会を開き、メンバー同士のコミュニケーションを深める場となっています。また、能代宇宙イベントやCanSatを使ったイベントを企画し、宇宙への関心を高める活動も行っています。

UNITEC-1とその成果

2010年には、金星へのフライバイを実施するUNITEC-1（愛称「しんえん」）をH-IIAロケット17号機により打ち上げました。電波の受信には困難を伴ったものの、金星近傍を飛行したと考えられています。このような成功例は、メンバーの繋がりや研究における成果であり、今後の宇宙工学発展のきっかけとなることでしょう。

結論

UNISECは、大学や高専の学生たちが宇宙工学に取り組む場として、非常に重要な役割を果たしています。宇宙技術の進展を支えるために、今後も多くの研究者や学生の参加が期待されます。

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