東海寺 (徳島市)

東海寺の概要

東海寺（とうかいじ）は、徳島県徳島市北山町に位置する高野山真言宗に属する寺院です。山号は国伝山、院号は地蔵院であり、本尊には地蔵菩薩が祀られています。この寺院には、地域の歴史や文化と深い結びつきがあり、訪れる人々にとって特別な存在となっています。

歴史的背景

この寺は元々観音寺という名前で知られていましたが、元和2年（1616年）に本尊の千手観音像が現在の徳島市勢見町の観音寺に移されたことをきっかけに、地蔵菩薩を本尊として新たに国伝山地蔵院東海寺と名付けられました。これにより、東海寺は地域の信仰の中心として重要な役割を果たすことになりました。

寺には、特にポルトガルの外交官であるヴェンセスラウ・デ・モラエスとその妻ヨネ、さらにヨネの姪・コハルの遺髪が保管されています。モラエスは日本滞在中に当寺の住職と親しい関係を築き、彼の晩年はこの寺でヨネとコハルを供養する姿が伝えられています。

文化的関係

東海寺の周辺にはあづり越という峠があり、源義経や空海がこの地を通過したと言われています。このように、歴史上の重要人物との関連があることは、寺の文化的な価値をさらに高めています。また、モラエスにまつわる場所として、寺の近くを走る徳島県道209号八多法花線は「ポルトガル・レイリア大通り」と名付けられており、地域住民の記憶と誇りを象徴しています。

アクセス情報

東海寺を訪れる際の交通手段には、JR徳島駅から出発する徳島市営バスが便利です。渋野行きのバスに乗り、「北山」で下車後、徒歩で約20分ほどの距離に位置しています。このルートをたどることで、自然豊かな景色を楽しみながら寺に到着することができます。

まとめ

東海寺は、地蔵菩薩を本尊としているだけでなく、歴史や文化との深い結びつきが魅力的な寺院です。ポルトガルとの縁を持つこの寺は、地域の人々にとって特別な意味を持つ場所であり、訪れる際にはその歴史を感じながら静かな時間を過ごすことができるでしょう。

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