東濃鉄道キハ20形気動車

東濃鉄道キハ20形気動車の詳細

東濃鉄道キハ20形気動車は、かつて岐阜県の東濃鉄道が運行していた気動車です。これらは特に駄知線と笠原線で使用され、そのユニークなデザインと歴史的背景から鉄道ファンの間で親しまれています。キハ20形の中で実際に運行したのは、キハ23の1両のみでした。この番号は、駄知鉄道の気動車の3号機にあたるもので、キハ1・キハ12との連番を意味しています。

概要と仕様

この気動車は、1933年に駄知鉄道によって導入されたものであり、製造元は日本車輌でした。設計は半鋼製であり、特有のボギー車体を有しています。この車両は適切な走行性能を確保するために、偏心動台車と付随台車を備えていました。特に目を引くのは、両側に鮮魚台（バケット）が設置されており、地域の特産物を運ぶ用途に特化していた点です。

搭載されていたエンジンは、ウォーケシャ6SRL型で出力は79馬力です。1941年にガソリン供給の不足が発生した際には、木炭ガスを利用するための装置が搭載されることとなりました。この改良により、ガソリンが不足している状況でも一定期間運行が続けられました。さらに1944年に東濃鉄道が設立されても、キハ23は駄知線で引き続き運用されることが決定しました。

運用の変遷

1949年には、搭載していた木炭ガス発生装置が撤去され、純粋なガソリンカーへと戻りますが、1950年には駄知線が電化されることから運行が一時休止となります。その後、キハ23は機関をディーゼルエンジン・三菱DB5Lに換装し、1952年からは笠原線へと転属しました。約20年間にわたり運用され続け、最終的には1971年6月13日の笠原線の旅客営業休止まで活躍しました。

主な仕様

• - 全長: 11,884mm
• - 全幅: 2,640mm
• - 全高: 3,525mm
• - 自重: 13.5t
• - 定員: 60名（座席30名）
• - エンジン: 三菱DB5L 105PS/1500rpm（換装後）
• - 変速機: 機械式

このように、東濃鉄道のキハ20形気動車は、その独特な設計と歴史的役割から貴重な存在でした。駄知鉄道から東濃鉄道へと移り変わる中で、地域交通の発展に寄与した重要な鉄道車両として、今でも多くのファンに愛されています。その記録や思い出を大切にしつつ、今後も鉄道の世界は進化を続けていくでしょう。

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