東濃鉄道キハ500形気動車

東濃鉄道キハ500形気動車

東濃鉄道キハ500形気動車は、かつて東濃鉄道の笠原線で投入されていた気動車です。この車両は501号と502号の2両から成り、いずれも異なる経歴を持っています。

車両の概要

501号

501号は、元々播但鉄道のレ15という形で1931年に梅鉢車輌によって製造されました。この車両は半鋼製のボギー車であり、機械式の走行装置を持っています。定員は80名で、窓配置は2D8D2というものです。1941年には番号がキハ500に変更され、その翌年には木炭ガス発生装置を搭載しました。播但鉄道が国鉄に買収された際には、キハ40305という新しい番号が与えられました。

その後、1953年に国鉄から東濃鉄道へ譲渡され、ディーゼルエンジンに改装されました。また、鮮魚台が車体に改造され、定員は92名に増加しました。富士川沿いに広がる笠原線では、502号と共に1971年の旅客営業休止まで活躍しました。

主要諸元

• - 全長：13,340mm
• - 全幅：2,642mm
• - 全高：3,680mm
• - 自重：16.5t
• - 定員：92名（座席40名）
• - 機関：日野DA57 100PS/1300rpm
• - 変速機：機械式

502号

502号は中国鉄道のキハニ172として1934年に日本車輌で製造されました。これも半鋼製のボギー車であり、当初はガソリンカーでした。荷物室が設置されており、そこには鮮魚台も存在していました。搭載されていたガソリンエンジンはウォーケシャ6-RB（78ps）です。

この車両も1942年には木炭ガス発生装置を搭載しましたが、中国鉄道が国鉄に買収された際には車籍を取得することなく1944年に廃車となりました。その後、防石鉄道に譲渡され、キハニ101に改番されましたが、選任機関をディーゼルエンジンに換装されました。防石鉄道の廃止後、1965年に東濃鉄道がこの車両を購入し、荷物室を廃止して客室として再利用しました。

502号も、笠原線での大型車両として1971年の旅客営業休止まで運行されていました。なお、窓配置は1D2D8D4と変則的な形となっていました。

主要諸元

• - 全長：17,090mm
• - 全幅：2,730mm
• - 全高：3,940mm
• - 自重：18.0t
• - 定員：100名（座席42名）
• - 機関：日野DA54 80PS/1200rpm
• - 変速機：機械式

まとめ

このように、東濃鉄道のキハ500形気動車は、それぞれ異なる経歴を持つ501号と502号が存在し、地域に密着した交通手段として長い間使用されていました。両車両は笠原線の歴史を語る上で欠かせない存在であり、多くの利用者に親しまれてきたことでしょう。

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