東理夫

東 理夫（ひがし みちお）

東理夫は、1941年8月2日に東京で生まれた日本の著名な作家、エッセイスト、翻訳家です。彼は現在、神奈川県鎌倉市に在住しています。彼の経歴は、興味深い国際的な背景を持っており、日系カナダ人の両親のもとに育ちました。父親は日本に引き揚げる前、バンクーバーで生活しており、太平洋戦争の前には満州に渡っていました。父は新聞記者として日本語の読み書きが可能でしたが、母は日本語を学ぶことができなかったため、家庭内では日本語が使用されることは少なかったとされています。

彼は立教大学の文学部心理学科に入学したものの中退し、後に日本冒険作家クラブや日本文芸家協会の会員として活動しています。彼の作品は小説や翻訳にとどまらず、アメリカに関連する音楽や食文化、人物評伝など多岐にわたります。特に進駐軍放送のAFRSを青年時代から聴いていたことが影響し、カントリー音楽に魅了されました。その後、ナッシュビルを訪れ、ジミー時田のバンドで演奏する経験も持っています。

1960年代のフォークソングブームの立役者ともなり、彼が著したフォークギターの教則本はベストセラーとなりました。また、日本におけるブルーグラスの紹介者かつ演奏者としても知られ、テネシー州から名誉市民としての称号を受けています。

1986年には、馬場啓一との共著で『スペンサーの料理』を発表し、この作品で第4回日本冒険小説協会大賞最優秀エッセイ賞を受賞しました。さらに、2011年度国際理解促進図書優秀賞を受賞した『アメリカは歌う。』は、彼のアメリカ文化への理解を深める書として評価されています。

主な著作

彼の著作は非常に多岐にわたり、以下はその一部です：

• - 単著

- 『あの車に逢いたい アメリカン・カー・グラフィティ』（1986年）
- 『ミステリ亭の献立帖』（1988年）
- 『センチメンタルシティララバイ 湘南海岸探偵事務所』（1988年）
- 『南青山探偵事務所』（1988年）
- 『夜もブルースを唄う』（1990年）
- 『湘南』（1993年）
- 『デューク・カハナモク - 幻の世界記録を泳いだ男』（1993年）
- 『荒野をめざす - 魂のハイウェイ・ルート66』（1994年）
- 『ガラクタをめぐる旅 - アメリカン・ヒーローたちを追って』（1995年）
- 『一九一二年オリンピック、あの夏の男たち』（1996年）
- 『ケンタッキー・バーボン紀行』（1997年）
- さらに多くの作品が続きます。

• - 共著

- 『スペンサーの料理』（馬場啓一共著、1985年）
- 『一生モン - 人生の質を高める逸品』（松山猛,出石尚三共著、1999年）

• - 翻訳

- 『16品の殺人メニュー』（アイザック・アシモフ編、1996年）
- 『コートインサイド - カリフォルニアの海が教えてくれた』（1998年）

東理夫氏の作品は、アメリカ文化の魅力を日本の読者に伝える重要な役割を果たしており、彼の独自の視点と豊かな経験が反映されています。彼の著作は、音楽や食文化、歴史に対する独自の視点によって、読み手を引き込む魅力を持っています。

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