東町 (神戸市中央区)

東町：神戸の商業と歴史を刻む街

神戸市中央区東町は、かつては賑わいを見せ、歴史的建造物も存在した、興味深い歴史を持つ地域です。現在では、オフィスビルや集合住宅が立ち並ぶ商業地域として発展を遂げています。

地理的位置と周辺環境

東町は、神戸港にほど近い旧居留地の東側に位置しています。東は加納町、南は海岸通、西は伊藤町、北は江戸町と隣接しており、神戸の中心地に位置する好立地です。周辺には、多くの商業施設やオフィスビルが立ち並び、ビジネス街としての活気も感じられます。

歴史的変遷

東町の歴史は古く、明治5年（1872年）には、旧居留地東端の南北の通りとして命名されました。幅19.8m、長さ462.6mのこの通りは、明治32年（1899年）に正式な町名として「東町」と定められました。

その後の東町は、数多くの重要な施設が建設された歴史があります。明治34年（1901年）にはドイツ総領事館が新築され、大正10年（1921年）には神戸商業会議所が設置されました。その後、神戸商業会議所は移転しましたが、神戸アメリカ領事館が昭和6年（1931年）に京町から東町に移転するなど、国際的な交流拠点としての役割も担っていました。

第二次世界大戦中には、ドイツ領事館が戦災で焼失するなど、大きな被害を受けましたが、戦後復興を経て、神戸アメリカ領事館が昭和27年（1952年）に再開、その後加納町へ移転するなど、変遷を繰り返してきました。昭和41年（1966年）には市分庁舎が、昭和45年（1970年）には神戸貿易協同組合の貿易ビルが建設され、現代的な都市機能も整備されてきました。

人口変遷

東町の人口は、明治時代から昭和時代にかけて変動を繰り返しました。明治34年（1901年）には戸数6戸、人口6人でしたが、大正9年（1920年）には世帯数10世帯、人口43人へと増加しました。昭和35年（1960年）には世帯数10世帯、人口44人となり、昭和63年（1988年）には世帯数22世帯、人口35人まで増加しました。しかし、平成17年（2005年）の国勢調査では、定住者はいなくなりました。

現在の東町

現在、東町には、神戸市危機管理センター、日本真珠会館、大神ビルなどの重要な施設が存在します。かつては神戸港郵便局も存在していました。これらの施設は、東町の商業活動や行政機能を支える重要な役割を担っています。オフィスビルや集合住宅が立ち並び、現代的な都市空間を形成しつつも、歴史的建造物の痕跡や、かつての賑わいを偲ばせる面影を残す、独特の雰囲気を持つ地域となっています。

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