東畑謙三

東畑 謙三の生涯と業績

東畑謙三は1902年に三重県一志郡豊地村に生まれ、1998年にその生涯を閉じた日本の重要な建築家です。彼は地主の家に生まれ、教育に恵まれた環境で育ちました。1923年に第三高等学校理科乙類を卒業した後、1926年に京都帝国大学工学部建築学科を卒業し、建築の道を歩み始めました。

1932年、東畑は自身の建築事務所を設立し、武田五一の弟子として関西の建築界でのキャリアをスタートしました。彼の作品は数多くの賞を受賞し、日本建築界において大きな影響を及ぼしました。特に、日本建築家協会の名誉会長や日本建築学会の名誉会員として、業界の発展にも寄与しています。

受賞歴

東畑はその卓越した作品により、1961年から1980年にかけて、建築業協会賞を複数回受賞しています。また、1969年と1981年には日本建築学会賞も受賞しました。1972年には、藍綬褒章、紺綬褒章、勲三等瑞宝章が与えられ、その業績が認められています。これらの受賞は、彼の優れた建築センスと技術の証です。

家族と親族

東畑には多彩な経歴を持つ家族がいます。妻の東畑博子は岩井商店の四女であり、兄の速水敬二は哲学者として知られています。また、実兄の東畑精一は農業経済学者、実弟の東畑四郎は農林事務次官を務めました。彼の家族もそれぞれの分野で顕著な業績を残しており、東畑謙三の影響が家族内にも広がっていたことが伺えます。

代表的な作品

彼の設計した建物の中でも特に注目すべきは、以下のようなものです。

• - 京都大学人文科学研究所附属漢字情報研究センター（旧東方文化学院京都研究所、1930年、京都市、国の登録有形文化財）
• - 大阪営林局庁舎（大阪）
• - 甲南大学校舎（兵庫）
• - 大阪駅前市街地改造事業（大阪駅前第1ビル：1970年、第4ビル：1983年）
• - 鈴鹿市民会館（三重）
• - 日商岩井大阪本社（大阪）
• - ホリデイ・イン南海（大阪）
• - 筑波研究学園都市（茨城）
• - インテックス大阪（1985年、大阪市）
• - 国際花と緑の博覧会 政府苑（1990年、大阪市）
• - 千里ライフサイエンスセンター（1992年）

これらの作品は、日本国内外で評価されており、特に文化財に指定された建物は、多くの人々に愛され続けています。彼の作品は、機能性と美しさを兼ね備えた設計が特徴です。東畑謙三が残した建築文化は、今後も日本の建築界において重要な役割を果たし続けるでしょう。

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