東留萠信号場

東留萠信号場（ひがしるもいしんごうじょう）

東留萠信号場は、かつて北海道留萌市に存在した鉄道省（後の日本国有鉄道）の信号場（廃駅）です。留萠本線の大和田駅と留萠駅の間、そして羽幌線の留萠駅と三泊駅の間に位置し、両路線の施設上の分岐点としての役割を担っていました。

歴史

この信号場は、留萠線の支線（後の羽幌線）が大椴駅まで開通した際に開設されました。当時、羽幌線方面へ向かう列車は、留萠駅から当信号場までの1.3kmを後退運転し、ここで進行方向を転換するスイッチバックを行って羽幌線へ進入していました。

1941年（昭和16年）12月、留萠駅構内の改良工事が行われました。これは、天塩炭砿鉄道が留萠駅へ乗り入れることに伴うものでした。この改良により、羽幌線は留萠駅の手前で分岐する新しい線路配置に変更され、留萠駅 - 三泊駅間の線路も新線に付け替えられました。その結果、スイッチバックの必要がなくなり、東留萠信号場は廃止されることとなりました。

年表

1927年（昭和2年）10月25日：鉄道省留萠線（支線）の留萠駅 - 大椴駅間が開通し、同時に開設。
1931年（昭和6年）10月10日：線路名が変更。留萠線は留萠本線に、留萠線支線は羽幌線に改称され、それに伴い両線の信号場となる。
1941年（昭和16年）12月9日：留萠駅 - 三泊駅間の新線への切り替えに伴い廃止。

信号場の由来

東留萠信号場の名前は、留萠駅の「東」に位置することに由来します。

構造

東留萠信号場は「単線分岐型信号場」と呼ばれる構造をしていました。駅舎は留萠方面に向かって左手、南側に設置されていました。駅舎の前が留萠本線、駅の裏側が羽幌線となる2線構造で、分岐は構内の両端で互いに向き合うように、羽幌線側へ開く片開きでした。留萠本線側は1線スルーのような構造となっていました。

旅客の取り扱いについては、1928年（昭和3年）の時点では駅舎の横の深川側に留萠本線用の単式ホーム1面1線がありました。1932年（昭和7年）には、さらに島状の羽幌線用単式ホームが追加され、千鳥状にずれた単式ホーム2面2線構造となりました。しかし、実際の乗降設備の規模や、旅客取扱の実績については詳しい記録が残っていません。

駅周辺

留萌川
信号場跡

信号場が廃止された後、羽幌線が廃止されるまでの間、留萠駅構内の羽幌線用操車線群へ、留萠本線側から構内渡り線を使用せずに深川方面と直接行き来できるよう、当信号場の西側端にあたる位置に分岐が設けられました。

この構内渡り線をバイパスする線路は、元々戦時中に現在の東雲町1丁目から2丁目にかけて建設された軍需工場の北海道人造石油留萌工場への専用線の送り線を再利用し、留萠本線へ接続したものでした。この専用線送り線は、留萠駅構内から留萌川を渡り、旧信号場の西端付近まで本線の北側を並走した後、少し北側へ膨らみながら築堤の高度を上げ、旧信号場の東側端にあたる位置、現在の国道232号が跨線している場所で留萠本線を跨線し、工場敷地脇へ敷かれた専用線本線へ並走しながら築堤の高度を下げて合流しました。

また、専用線本線からは留萠駅方面へスイッチバック状に戻る戻り線があり、留萠本線の南側の少し離れた位置を並走して旧信号場の西端より手前で留萠本線へ合流していました。専用線本線からは東側へ90度カーブする2本が現・留萌市立病院辺りにあった工場へ、戻り線からは西側へ90度カーブする1本が現・北海道留萌土木現業所辺りにあった工場付帯の何らかの施設（留萌研究所？）へ分岐していました。戦後間もなく、工場と共にこれらの専用線も、一部を残して撤去されました。

隣の駅

日本国有鉄道

留萠本線

大和田駅 - （東留萠信号場） - 留萠駅

羽幌線

留萠駅 - （東留萠信号場） - 三泊駅

脚注

注釈

出典

関連項目

日本の信号場一覧

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