東神戸フェリーセンター

東神戸フェリーセンターの歴史と役割

東神戸フェリーセンターは、かつて神戸市東灘区に位置していたフェリーの発着場であり、四国や九州方面への航路を提供していました。このターミナルは、神戸港内のフェリー運航を集約するために設立され、運航会社や利用者に利便性を与える役割を果たしていました。

建設の背景と経緯

1970年に建設工事が始まったこのフェリーセンターは、神戸市が約23億円を投じ、運輸省からの補助金を受けて整備されました。中心となる敷地は約7.7ヘクタールで、埋立地の中に位置し、1971年7月には第一バースが完成し、全4バースが運用開始となりました。当初、10社の運航会社が就航し、その後も多くの会社が参入することで賑わいを見せていました。特に、1974年4月までには17社が就航する見込みであり、新たに第五バースも建設されることになりました。

航路と運航状況

1971年には、ジャンボフェリーやニュージャンボフェリーをはじめとする様々な航路が開設され、神戸から高松、川之江、徳島などへのアクセスが容易になりました。また、九州方面にもダイヤモンドフェリーや宮崎カーフェリーが運航され、広範なエリアへの対応が図られました。

阪神淡路大震災と航路変更

しかし、1995年に発生した阪神・淡路大震災が踏み切りとなり、ターミナルは一時運休を余儀なくされました。復旧後も、利用者は徐々に減少し、対岸の六甲アイランドに新設されたフェリーターミナルや、中央区の新港フェリーターミナルに航路が移転することが決定されました。さらに、明石海峡大橋の開通影響で航路が減少し、1999年3月16日には閉鎖されるに至りました。

現状と跡地の変化

フェリーセンターが閉鎖された後、その跡地は「サンシャインワーフ神戸」というショッピングセンターとして再利用されています。かつてフェリーが発着していたバースの一部には可動橋が残されており、訪れる人々に当時の記憶を伝えています。また、東西にあった旅客ターミナルの一部も2022年まで残っていましたが、現在では解体されてしまいました。

交通アクセス

最寄り駅は阪神電気鉄道の青木駅で、地元住民や観光客にとってアクセスしやすい位置にありました。フェリーセンターが果たしていた役割は、地域の交通網の一部として重要なものでした。今では、その歴史的な背景を知る人々の記憶として残るだけとなりました。

こうした東神戸フェリーセンターの歴史は、地域の発展や交通網の変遷を知る上で重要なポイントとなっており、今後もその記憶を大切にしていく必要があります。

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