東禅寺 (岐阜県七宗町)

東禅寺は、岐阜県加茂郡七宗町神渕に位置する曹洞宗の寺院です。山号を扶桑山と称し、本尊には釈迦如来が祀られています。この寺は、東海白寿三十三観音霊場の28番札所としても知られています。

寺の開基は、延宝2年（1674年）に龍泰寺の18世である長霊正鎮によって行われました。しかし、本尊の釈迦如来像は、それよりも前の寛文5年（1665年）に可児宗右衛門によって寄進されたと伝えられており、寺の創建に関する詳しい経緯は明らかになっていません。その後、天保10年（1839年）には、15世の住職である柏岩隆苗によって本堂が改築され、この際に本尊も新しくなりました。

東禅寺には、貴重な寺宝がいくつか所蔵されています。特に有名なのは、寛文4年（1664年）に描かれた「釈迦八相図」と、元禄5年（1692年）に描かれた「涅槃図」です。これらの絵画は、当時の仏教美術を知る上で非常に重要な資料であり、東禅寺の歴史と文化的な価値を物語るものです。

東禅寺は、地域の人々にとって心の拠り所であるとともに、歴史と文化を伝える重要な場所として、今日まで大切に守られています。美しい自然に囲まれた静かな境内で、訪れる人々は穏やかな時間を過ごすことができます。

参考文献
七宗町 『七宗町史 通史編』 p.p.1222,1223 1924年

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