東蓮寺藩

東蓮寺藩（直方藩）

東蓮寺藩、のちの直方藩は、筑前国鞍手郡東蓮寺（現在の福岡県直方市）に藩庁を置いた福岡藩の支藩です。その歴史は大きく分けて二つの時期に区分されます。

第1期 (1623年 - 1677年)

元和9年（1623年）、福岡藩主・黒田長政の四男である高政が、4万石を分与されたことで立藩しました。3代藩主・長寛の時代である延宝3年（1675年）に、藩名を東蓮寺から直方へと改称しています。しかし、延宝5年（1677年）には長寛が実父である福岡藩3代藩主・光之の後継者となったため、直方領を本藩へ返還し、自らは福岡藩4代藩主・綱政となりました。

第2期 (1688年 - 1720年)

元禄元年（1688年）、光之の四男・長清（長寛（綱政）の実弟）に5万石が分与されたことで再び立藩しました。長清の嫡子・長好は、福岡藩5代藩主・宣政に実子がいなかったため養子となり、後の福岡藩6代藩主・継高となります。享保5年（1720年）に長清が亡くなると、長好には他に子がなかったため、直方藩は廃藩となり、その所領は福岡藩へと還付されました。

明治時代に入り、1891年（明治24年）には、福岡藩最後の藩主であった黒田長知の四男・黒田長和が直方家を再興し、男爵として華族に列せられました。

領地

第1期

筑前国に領地を有していました。

鞍手郡のうち31村
嘉麻郡のうち3村
遠賀郡のうち3村

第2期

筑前国に領地を有していました。

鞍手郡のうち24村
嘉麻郡のうち10村
穂波郡のうち14村
遠賀郡のうち13村

藩職制構成

『元禄十四年直方家中分限帳』(100石以上)によると、以下の役職がありました。

家老（3人）
中老（4人）
中老列（3人）
納戸頭（2人）
馬廻頭（1人）
勝手方元締裏判（1人）
用方（5人）
留守居（1人）
歩行頭（2人）
宗旨奉行兼罰奉行（1人）
歩行頭列（1人）
傍筒頭（3人）
足軽頭（7人）
長柄奉行（3人）
町奉行兼寺社奉行（1人）
勘定奉行（1人）
郡奉行（1人）
郡代兼山奉行（1人）
船手頭（1人）
大坂蔵奉行（1人）
納戸組（2人）
医師中（4人）
銀子奉行（1人）
馬廻中（12人）

東蓮寺藩重臣 (元和9年(1623年))

吉田家（4000石）
明石家（1000石）
朽細家（400石）
都築家（350石）
萩家（300石）
瓦林家（300石）
片岡家（300石）
平井家（300石）
新免家（300石）
明石家（300石）
辻家（300石）

歴代藩主

黒田家（東蓮寺家）

外様 4万石（1623年 - 1677年）

1. 高政
2. 之勝
3. 長寛

黒田家（直方家）

外様 5万石（1688年 - 1720年）

1. 長清

もう一度検索