東西対抗お笑いルーレット

『東西対抗お笑いルーレット』は、1975年3月5日から3月26日まで、フジテレビ系列で毎週水曜22時からの55分枠で放送された、関西テレビ制作の演芸番組です。全4回という短い期間での放送でしたが、その斬新な企画で視聴者の注目を集めました。

番組が放送されることになった背景には、当時人気を博していた田村正和主演のテレビドラマ『運命峠』が同年2月に終了したことが挙げられます。春の改編期までのつなぎ番組として企画されたこの番組は、司会に桂三枝（後の六代桂文枝）と児島美ゆきを迎え、お笑い芸人たちが東西に分かれて即興で芸を競うという、当時としては画期的な内容でした。

番組の基本コンセプトは、1975年1月1日に同時間帯で放送された正月番組『新春東西対抗お笑いルーレット』をレギュラー化したものです。芸人たちは、活動拠点である東京と大阪に分かれ、ルーレットで示されたお題に沿って、漫才、コント、落語、小噺などを即興で披露します。この番組の大きな特徴は、持ち時間が3分以内という短時間であること。この時間内にネタを思いつかなかった場合は「アウト」となり、その場で即興性を求められるという、芸人にとっては非常に厳しいルールでした。

この番組のユニークな点は、単に芸を披露するだけでなく、ルーレットという不確定要素を取り入れることで、予期せぬ展開が生まれたり、芸人たちの創造性が試される点にありました。視聴者は、普段見慣れた芸人たちが、与えられたお題にどう対応するのか、その即興性あふれるパフォーマンスに釘付けになったことでしょう。

放送終了後も、この番組の人気は衰えず、6年後の1981年4月には、同じく水曜22時枠でリバイバル版である『激突!お笑いルーレット』がスタートしました。これは、当時の視聴者がこの番組に大きな魅力を感じていた証拠と言えるでしょう。このリバイバル版も、オリジナル版と同様に、芸人たちの即興性とユーモアが溢れる番組として人気を博しました。

『東西対抗お笑いルーレット』は、1970年代のお笑い番組の中で、即興性を前面に押し出した画期的な番組として、その名を刻んでいます。この番組の成功は、後のお笑い番組にも大きな影響を与えたと考えられます。短い放送期間ではありましたが、お笑い史に残る重要な番組の一つとして、今後も語り継がれていくことでしょう。

なお、番組の放送データについては、『下野新聞縮刷版』（下野新聞社、1975年3月5日 - 同年3月26日付のラジオ・テレビ欄）に詳しい情報が掲載されています。

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